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共同名義の一軒家、自分の持分だけ売却可能?相続と不動産登記の基礎知識

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一人暮らしには広すぎるので、自分の持分だけを売却したいと考えています。兄と共同名義なので、自分の持分だけを売却することは可能でしょうか?それとも、兄の持分も含めて全てを売却しなければならないのでしょうか?
まず、不動産の共有(きょうゆう)について理解しましょう。共有とは、複数の所有者が一つの不動産を共同で所有する状態です。質問者さんのケースでは、父から相続した一軒家を兄と2人で共有(共同名義)している状態です。 それぞれの所有者の持分は、相続時の遺産分割協議(いさんぶんかつきょうぎ)で決定されます。協議がなければ、法定相続分(ほうていそうぞくぶん)に従って分割されます。 法定相続分とは、法律で定められた相続人の相続割合のことです。
次に、不動産登記(ふどうさんとうき)についてです。不動産登記とは、不動産の所有者や権利関係を公的に記録する制度です。登記簿(とうきぼ)に記録されている情報が、その不動産の所有権や権利関係を証明する重要な証拠となります。 質問者さんの一軒家も、登記簿に兄と2人の共同名義で登記されているはずです。
はい、可能です。共有不動産において、自分の持分だけを売却することは法律上問題ありません。 これは、共有持分の譲渡(じょうと)と呼ばれます。 質問者さんは、ご自身の持分を売却する意思表示(いしひょうじ)を買い手に伝え、売買契約を結び、その後、所有権移転登記(しょゆうけんいてんとっき)を行うことで、ご自身の持分を売却できます。
民法(みんぽう)が関係します。民法第244条には、共有物の処分(しょぶん)に関する規定があり、共有者の一方が単独で自分の持分を処分できることが認められています。ただし、他の共有者の承諾(しょうだく)を得る必要はありません。
誤解されやすいのは、「共同名義だから、全員の同意がないと売れない」という点です。 これは間違いです。 共有持分は、個々の共有者の財産として扱われます。そのため、自分の持分については、原則として自由に処分できます。ただし、売買契約の内容によっては、兄に何らかの影響が出る可能性があります。例えば、売却価格が著しく低い場合などです。
売却にあたっては、不動産会社に相談することをお勧めします。不動産会社は、市場価格の査定(さてい)、売買契約の締結、所有権移転登記の手続きなど、売却に関する様々な業務をサポートしてくれます。 また、兄との間でトラブルを避けるためにも、売却前に兄に売却の意思を伝え、状況を説明しておくことが重要です。 売却価格や売買契約の内容について、事前に兄と話し合っておくことで、後々のトラブルを未然に防ぐことができます。
売買契約の内容が複雑であったり、兄との間で売却価格や条件について合意できない場合などは、弁護士や司法書士(しほうしょし)に相談することをお勧めします。専門家は、法律的な観点から適切なアドバイスをしてくれます。
共同名義の不動産であっても、自分の持分は自由に売却できます。ただし、不動産会社への相談や、必要に応じて弁護士・司法書士への相談が、スムーズな売却とトラブル回避に繋がります。 兄との良好な関係を維持しながら、手続きを進めることが大切です。
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