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共同相続人の不動産共有解消:遺産分割と共有物分割の違いを徹底解説!判例と民法の条文も解説

【背景】
共同相続人の一人から、遺産である特定の不動産の共有持分を譲り受けました。しかし、他の相続人と共有関係の解消について話がまとまらず困っています。

【悩み】
共有関係を解消するには、裁判所に「遺産の分割」を請求すべきなのか、「共有物の分割」を請求すべきなのか分かりません。どちらの請求が適切なのか、また、それに関連する法律や条文も知りたいです。

共有関係解消には「共有物分割」請求が適切です。民法306条が根拠となります。

1. 遺産分割と共有物分割:基本的な違い

まず、遺産分割と共有物分割の違いを理解することが重要です。

**遺産分割**とは、相続人が亡くなった人の財産(遺産)を相続人同士で分ける手続きです。相続開始(相続人が亡くなった時点)から、相続人が遺産を自由に処分できるようになるまでの手続きです。遺産には、不動産、預金、株式など様々な財産が含まれます。遺産分割は、相続人全員の合意に基づいて行われるのが理想ですが、合意が得られない場合は、家庭裁判所に遺産分割協議の調停を申し立てることができます。調停が不成立の場合は、裁判による遺産分割請求を行うことになります。

一方、**共有物分割**とは、既に複数の所有者がいる財産(共有物)を、各所有者の持分に応じて分割する手続きです。共有物は、相続によって生じる場合もありますが、相続以外に、共同購入や贈与などでも発生します。共有物分割も、共有者全員の合意に基づいて行われるのが理想ですが、合意が得られない場合は、裁判所に共有物分割の請求をすることができます。

今回のケースでは、質問者は既に相続によって生じた不動産の共有持分を譲り受けています。そのため、相続手続き自体(遺産分割)は既に完了していると考えられます。 問題は、質問者を含む複数の所有者で共有されている不動産をどのように分割するか、という点です。

2. 今回のケースへの直接的な回答

質問者のケースでは、既に遺産分割が完了しており、問題は共有されている不動産の分割です。そのため、裁判所に「共有物分割」を請求する必要があります。「遺産分割」は、相続開始後の遺産の分割手続きであり、既に完了しているからです。

3. 関係する法律:民法第306条

共有物分割の請求に関する法律は、**民法第306条**です。この条文は、共有物の分割を請求できることを規定しています。

> **民法第306条:共有者は、いつでも、その共有物の分割を請求することができる。**

この条文が示すように、共有関係にある者は、いつでも共有物の分割を請求する権利を有します。相続によって生じた共有物であっても、この条文の適用を受けます。

4. 誤解されがちなポイント:遺産分割と共有物分割の混同

遺産分割と共有物分割は、しばしば混同されがちです。遺産分割は相続開始後に遺産全体を分割する手続き、共有物分割は既に共有状態にある財産を分割する手続きという点が大きく異なります。 既に相続が完了し、特定の不動産の共有持分を譲り受けた状態であれば、共有物分割が適切な手続きです。

5. 実務的なアドバイス:協議と裁判

まず、他の共同相続人と話し合い、合意による共有物分割を目指しましょう。 話し合いがまとまらない場合、弁護士に相談し、裁判手続きを検討する必要があります。裁判では、不動産の評価や分割方法について、専門家の意見を聞く必要があるかもしれません。

6. 専門家に相談すべき場合

話し合いが難航したり、不動産の評価や分割方法に複雑な問題がある場合、弁護士や司法書士に相談することをお勧めします。専門家は、法律的な手続きや、適切な分割方法についてアドバイスしてくれます。特に、高額な不動産の場合、専門家の助言は不可欠です。

7. まとめ:共有物分割請求が重要

今回のケースでは、既に遺産分割は完了しているため、共有物分割の請求が適切です。民法第306条に基づき、共有者はいつでも共有物の分割を請求できます。話し合いがまとまらない場合は、弁護士などの専門家に相談し、裁判による解決を検討しましょう。 遺産分割と共有物分割の違いを理解し、適切な手続きを進めることが重要です。

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