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共有不動産の分割:調停不成立後の訴訟提起と価格賠償請求の可能性

【背景】
* 父と兄が共有していた土地付き住宅が、父の死後、母と兄が50%ずつ共有する状態になりました。
* 父存命中から兄と折り合いが悪く、価格賠償(共有物の持分を金銭で買い取る)を希望する母に対し、兄は全く同意しません。
* 以前、父母が申立人となって共有物分割調停(価格賠償)を申し立てましたが、父の死や紛糾により1年半後に不調に終わっています。
* 父の持分は、公正証書の遺言に基づき母に登記移転済みです。

【悩み】
母は、兄との折り合いが悪く、調停に疲弊しています。調停を再度申し立てるべきか、それとも最初から分割訴訟(裁判)を起こすべきか迷っています。また、自身の病気の療養費に充てるため、迅速に解決したいと考えています。

分割訴訟も可能。状況次第で選択を。

回答と解説

共有物分割の基礎知識

共有物分割とは、複数の者が共有する不動産(このケースでは土地付き住宅)を、それぞれの共有者の持分に応じて分割したり、一方の共有者が他の共有者から自分の持分を買取ったりする手続きです。共有関係が継続すると、管理や利用に支障をきたす可能性があるため、法律で共有物分割の制度が設けられています。

共有物分割の方法には、①**現実分割**(物理的に分割する)、②**換価分割**(売却して代金を分割する)、③**価格賠償**(一方の共有者が他の共有者から自分の持分を買取る)の3種類があります。質問者のケースでは、価格賠償が検討されています。

今回のケースへの直接的な回答

調停が不調に終わったからといって、最初から分割訴訟が不可能なわけではありません。しかし、訴訟は調停よりも時間と費用がかかります。まずは、再度共有物分割調停を申し立てることを検討すべきです。

関係する法律や制度

共有物分割に関する主な法律は、民法です。民法第257条以下に、共有物分割に関する規定が定められています。調停は、民事調停法に基づいて行われます。訴訟は、民事訴訟法に基づいて行われます。

誤解されがちなポイントの整理

調停は、裁判よりも非公式で、当事者同士の話し合いで解決を目指します。裁判は、裁判官が最終的な判断を下します。調停は、必ずしも解決に導かれるとは限りません。調停が不調に終わったとしても、それは訴訟を起こすことができないという意味ではありません。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

母が再度調停を申し立てる場合、前回の調停で不調に終わった理由を分析し、改善策を検討することが重要です。例えば、具体的な価格提示や、兄との交渉のポイントを弁護士に相談し、準備を万全にすることが効果的です。

訴訟を選択する場合、弁護士に依頼し、証拠をしっかりと準備する必要があります。訴訟費用は高額になる可能性があるため、費用対効果を検討することも重要です。

専門家に相談すべき場合とその理由

共有物分割は、法律的な知識や手続きが複雑なため、弁護士に相談することを強くお勧めします。特に、前回の調停が不調に終わった経緯や、兄との関係性などを考慮すると、弁護士の専門的なアドバイスが必要不可欠です。弁護士は、最適な解決策を提案し、手続きを円滑に進めるサポートをしてくれます。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

* 共有物分割には、現実分割、換価分割、価格賠償の3種類がある。
* 調停が不調に終わったとしても、分割訴訟は可能。
* 訴訟は時間と費用がかかるため、まずは再度調停を検討すべき。
* 弁護士に相談することで、最適な解決策を選択し、手続きを円滑に進めることができる。
* 母の病気の療養費という事情を踏まえ、迅速な解決を目指すべきである。

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