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共有不動産の地上権と所有権変更:登記と承諾の必要性について徹底解説

【背景】
実家の土地を兄弟で共有しており、相続によって共有持分が複雑になっています。今回、私が単独で所有する形にしたいと考えています。土地には以前、隣家の方が建物を建てるために設定した地上権(他人の土地に建物を建てる権利)があります。

【悩み】
共有持分を単独所有に更正する際に、この地上権はどうなるのかが気になっています。登記官が職権で抹消してくれるのか、それとも地上権者の承諾が必要なのか、また、根拠となる法律条文も知りたいです。

地上権は消滅せず、承諾が必要です。

回答と解説

テーマの基礎知識(定義や前提の説明)

まず、重要な用語を整理しましょう。「共有所有権」とは、複数の者が一つの不動産を共同で所有する権利です。一方「単独所有権」は、一人のみが不動産を所有する権利です。そして「地上権」とは、他人の土地に建物その他の工作物を築造し、または既存の工作物を存続させる権利のことです(民法第270条)。 今回のケースでは、隣家の方が土地に建物を建てる権利(地上権)を有しています。

共有不動産の所有権を単独所有に変更する手続きは「所有権移転登記」です。所有権の移転は、所有権の変更を登記所(法務局)に申請することで行われます。

今回のケースへの直接的な回答

質問の結論から言うと、共有不動産の所有権を単独所有に変更する手続き(所有権移転登記)において、設定されている地上権は登記官によって職権で抹消されません。地上権者の承諾を得て、地上権の設定登記を抹消する必要があります。

関係する法律や制度がある場合は明記

所有権移転登記に関する規定は、不動産登記法に定められています。地上権の消滅については、民法第278条以下に規定があります。地上権は、所有権とは独立した権利なので、所有権の移転だけでは地上権は消滅しません。地上権を消滅させるには、地上権者の承諾が必要となります。

誤解されがちなポイントの整理

「登記官が職権で抹消してくれるのではないか」という誤解は、所有権と地上権という異なる権利の性質を理解していないことから生じます。登記官は、登記申請の内容が法令に適合しているかを確認する役割です。所有権の移転は、地上権の存在とは無関係にできますが、地上権自体を消滅させるには、地上権者の合意が必要です。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

所有権の移転と同時に地上権を消滅させたい場合は、地上権者と合意の上で、地上権設定登記の抹消登記を行う必要があります。この手続きには、地上権者の承諾書が必要となります。承諾書には、地上権者の氏名、住所、印鑑、そして地上権の抹消に同意する旨が明記されている必要があります。 具体的な手続きは、法務局のホームページや司法書士に相談するのが良いでしょう。

専門家に相談すべき場合とその理由

不動産登記は複雑な手続きです。特に、地上権のような権利関係が絡む場合は、専門家のアドバイスを受けることを強くお勧めします。司法書士は、不動産登記に関する専門家であり、手続きの代行や法的アドバイスをしてくれます。 誤った手続きを行うと、後々トラブルになる可能性がありますので、専門家の力を借りることで、安全かつ確実に手続きを進めることができます。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

共有不動産の所有権を単独所有に変更する際、設定されている地上権は登記官によって職権で抹消されません。地上権を消滅させるには、地上権者の承諾を得て、地上権設定登記の抹消登記を行う必要があります。 この手続きは複雑なため、司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。 所有権と地上権は別々の権利であることを理解し、適切な手続きを進めることが重要です。

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