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共有不動産の売却と不当利得請求:権利の移転について徹底解説

【背景】
* 弟と共有で土地建物を所有しています。
* 土地建物は賃貸中で、弟が賃料管理をしています。
* 弟から私の分の賃料が2年間支払われていません。
* 不当利得請求を検討しています。
* 私の共有持分を第三者に売却することも検討しています。

【悩み】
共有持分を売却してしまうと、不当利得請求の権利が消えてしまうのか心配です。売却によって、私の不当利得請求権が第三者に移転してしまう可能性があるのでしょうか?

不当利得請求権は売却で消滅しません。

回答と解説

1. 土地建物共有と賃料の分配

土地や建物を複数人で共有する(共有持分)場合、各共有者はその持分に応じて権利を有します。今回のケースでは、質問者さんと弟さんが共有者であり、それぞれが土地建物の持分を所有しています。賃貸されている場合、賃料もその持分に応じて分配されるのが原則です。弟さんが質問者さんの分の賃料を支払っていないのは、契約違反であり、不当利得に該当する可能性があります。

2. 不当利得請求とは?

不当利得とは、法律用語で「法律上の原因なくして財産上利益を得、かつ相手方に損害を与えた場合に、その利益を相手方に返還させる請求権」のことです(民法第703条)。今回のケースでは、弟さんが質問者さんの分の賃料を2年間も支払っていないことが、法律上の原因のない利益取得にあたると考えられます。

3. 不当利得請求権の性質

不当利得請求権は、質問者さん個人が持つ権利です。これは、質問者さんの土地建物に対する共有持分と直接結びついている権利ではなく、弟さんの不当な行為によって発生した権利です。 所有権とは別の、独立した権利と考えることができます。

4. 共有持分の売却と不当利得請求権

質問者さんが自分の共有持分を第三者に売却しても、不当利得請求権自体は消滅しません。 なぜなら、不当利得請求権は、質問者さんの共有持分そのものではなく、弟さんからの賃料未払いを原因とする権利だからです。 売買契約において、不当利得請求権について特に言及がない限り、この権利は質問者さんから第三者に移転することはありません。

5. 誤解されがちなポイント:権利の移転

共有持分の売買契約書に、不当利得請求権に関する記述がない場合でも、その権利が自動的に買主に移転するとは限りません。 あくまで、質問者さんが弟さんに対して有する権利であり、不動産の所有権とは別個に存在するからです。

6. 実務的なアドバイス

不当利得請求を行う前に、弟さんと話し合い、未払い賃料の支払いを求めることが最善です。話し合いがうまくいかない場合は、弁護士に相談し、内容証明郵便(証拠として残る書面による通知)を送付するなど、法的措置を検討することをおすすめします。 また、売却前に弁護士に相談し、売買契約書に不当利得請求権に関する記述を加えることで、トラブルを回避できます。

7. まとめ

共有持分の売却は、不当利得請求権に影響を与えません。しかし、売却前に弁護士に相談し、適切な手続きを行うことで、よりスムーズに問題解決を進めることが可能です。 弟さんとの話し合いを優先し、それでも解決しない場合は、速やかに弁護士などの専門家に相談しましょう。 不当利得請求権は時効(権利を行使できる期間の制限)がありますので、早めの対応が重要です。

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