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共有不動産の持分全部移転と抵当権順位:甲乙双方の抵当権はどうなる?
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乙の持分を移転登記する際に、B銀行の抵当権はどうなるのかが分かりません。乙の持分の抵当権は、私の持分に対する抵当権より順位が下がる(2番抵当権になる)のでしょうか?それとも、何か手続きが必要なのでしょうか?
まず、共有不動産とは、複数の所有者が共同で所有する不動産のことです。それぞれの所有者の持分は、所有権の一部であり、持分に応じて権利を行使できます。抵当権とは、債務者が債権者に対して、特定の不動産を担保として提供することで、債務不履行の場合にその不動産を売却して債権を回収できる権利です。抵当権には順位があり、複数の抵当権が設定されている場合、先に設定された抵当権が優先的に弁済されます(先順位抵当権)。
質問のケースでは、甲が乙の持分を全て取得し、単独所有者となります。この場合、乙の持分に設定されているB銀行の抵当権は、乙の持分が消滅したため、そのままでは存在できなくなります。そのため、職権で2番抵当権となることはありません。B銀行の抵当権は、乙の持分の移転登記と同時に抹消登記(抵当権を消滅させる登記)を行う必要があります。
この問題は、民法(特に所有権と抵当権に関する規定)と不動産登記法によって規定されています。具体的には、民法第188条(所有権の移転)と不動産登記法第15条(抵当権の登記)などが関係します。
よくある誤解として、「乙の持分が甲に移転したから、B銀行の抵当権は甲の持分に自動的に移転し、順位が下がる」という考えがあります。しかし、これは誤りです。抵当権は、特定の不動産の特定の持分に設定される権利であり、持分の移転によって自動的に移転するものではありません。抵当権は、債務者(乙)と債権者(B銀行)の間の契約に基づいて設定されるもので、土地の所有権の移転とは別個のものです。
乙の持分を取得する際には、まずB銀行と連絡を取り、抵当権の抹消について協議する必要があります。抵当権の抹消には、債務の弁済(借金の返済)が必要となる場合が多いです。債務の弁済が完了したら、B銀行から抵当権抹消の書類(抹消証書)を受け取り、乙の持分の移転登記と同時に抵当権抹消登記の手続きを行います。これは、司法書士などの専門家に依頼するのが一般的です。
不動産登記は複雑な手続きを伴います。特に、抵当権の処理は専門知識が必要となるため、自身で手続きを行うのはリスクが伴います。登記ミスにより、後々大きな問題が発生する可能性もあります。そのため、不動産登記に詳しい司法書士や弁護士に相談することを強くお勧めします。
* 甲が乙の共有持分を取得しても、乙の持分に設定された抵当権は自動的に2番抵当権にはなりません。
* 乙の抵当権を抹消するには、B銀行との協議と債務の弁済、そして抵当権抹消登記が必要です。
* 不動産登記は複雑なため、専門家への相談が重要です。 専門家の適切なアドバイスと手続きによって、スムーズかつ安全に所有権移転と抵当権抹消を行うことができます。
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