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共有不動産の無断譲渡と所有権登記:第三者への対抗力と平成9年問題の解説

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登記がない状態でも、共有者は第三者(この場合はCさん)に対抗できるという話を聞いたことがあります。しかし、平成9年の司法書士試験問題では、無断で登記が完了していても、第三者が共有持分を取得できないという問題があり、混乱しています。Cさんは、所有権登記をしているので、共有不動産の所有権を取得できているのでしょうか?
不動産を複数人で共有する状態を「共有」(きょうゆう)といいます。共有者は、それぞれ共有持分(きょうゆうじぶん)という権利の割合を有します。例えば、2人で共有する場合は、通常はそれぞれ1/2ずつ持分を有します。共有関係にある不動産を処分するには、原則として全共有者の同意が必要です。一方の共有者の単独行為で、共有不動産を譲渡することはできません。
BさんがAさんの承諾を得ずにCさんに不動産を譲渡したとしても、Cさんは所有権登記をしたとしても、Aさんに対する有効な共有持分の取得はできません。所有権登記は、あくまで公示の機能を果たすものであり、所有権そのものを創設するものではありません。無断譲渡された不動産の所有権は、AさんとBさんの共有状態が継続します。Cさんは、Aさんから共有持分の譲渡を受けるか、裁判で共有持分の移転を認めさせる必要があります。
このケースは、民法(みんぽう)(特に、共有に関する規定)が関係します。民法では、共有不動産の処分には全共有者の同意が必要と定められています。Bさんの単独行為による譲渡は、民法に違反するため、Aさんに対して無効となります。所有権登記法(しょゆうけんとうきほう)も関係しますが、無効な権利の登記は、その権利の有効性を保証するものではありません。
所有権登記は、不動産の所有者を公示する重要な制度ですが、必ずしも所有権の有効性を保証するものではありません。無効な権利に基づいて登記がなされた場合、その登記は、真の所有者(このケースではAさん)に対抗することはできません。平成9年の司法書士試験問題も、この点を問うものでした。登記がされているからといって、必ずしも権利が有効であるとは限らないことを理解することが重要です。
Aさんは、BさんとCさんに対して、共有不動産の無断譲渡の無効を主張し、所有権移転登記の抹消(まっしょう)(登記簿から削除すること)を求めることができます。このためには、弁護士や司法書士に相談し、適切な法的措置をとることが必要です。具体的には、裁判を起こして、所有権移転登記の抹消を請求することになります。
共有不動産に関するトラブルは、複雑な法的問題を含むことが多いため、専門家のアドバイスを受けることが重要です。特に、裁判手続きが必要となる場合は、弁護士や司法書士などの専門家のサポートが不可欠です。専門家は、適切な法的戦略を立案し、手続きを進めることができます。
* 共有不動産の処分には、原則として全共有者の同意が必要です。
* 所有権登記は、所有権の有効性を必ずしも保証するものではありません。
* 無断で譲渡された共有持分は、所有権登記があっても、真の共有者に対抗できません。
* 共有不動産に関するトラブルが発生した場合は、弁護士や司法書士に相談することが重要です。
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