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共有不動産の管理費用請求:登記されていない所有権移転と請求権の行方

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BとCは、甲不動産の管理費用を誰に請求すれば良いのか悩んでいます。Aにも請求できるのでしょうか?それとも、Aの持分を譲り受けたDに請求すべきなのでしょうか? 登記されていないことと、請求権の関係が分からず困っています。
まず、共有物(複数人で所有する不動産など)の管理費用について理解しましょう。共有者は、共有物の維持管理に必要な費用を負担する義務があります(民法249条)。これは、共有者間の合意に基づかずとも、法律上当然に発生する義務です。
次に、所有権移転についてです。所有権とは、物を使用・収益・処分する権利のことです。所有権を他人に移転するには、原則として所有権移転登記が必要です。登記をすることで、その移転が第三者に対抗できるようになります。つまり、登記がなければ、第三者には所有権移転の事実が知られないため、影響を与えられないということです。
今回のケースでは、AからDへの所有権移転登記が行われていません。そのため、法律上はAはまだ甲不動産の共有者です。したがって、BとCは、共有者であるAに対して管理費用の支払いを請求することができます。
しかし、Aは既にDに持分を譲渡しており、Dが管理費用を負担すべきだと考えるのが自然です。では、BとCはDにも請求できるのでしょうか?
民法第177条は、共有物の管理に関する規定を定めています。この条文の解釈には様々な見解がありますが、本件のような未登記の所有権移転の場合、判例(裁判所の判決)では、第三者(BとC)は、登記されていない所有権移転を主張するDに対抗できません。
しかし、これはあくまで「対抗できない」というだけで、BとCがDに請求できないというわけではありません。BとCはAに請求できる権利を持ち、AはDに請求できる権利を持っています。つまり、BとCはAに請求し、AはDに請求する、という流れが考えられます。
よくある誤解として、「登記されていないから、Dには請求できない」というものがあります。しかし、これは正しくありません。登記は第三者に対抗するための要件ですが、請求権そのものを消滅させるものではありません。
重要なのは、請求権の発生根拠です。BとCの請求権は、共有関係に基づいて発生します。AがDに持分を譲渡したとしても、その事実がBとCに及ぶ影響は、登記が完了した場合と比べて限定的です。
BとCは、まずAに対して管理費用の支払いを請求するのが現実的です。Aは、Dから費用を回収する必要があります。もしAが支払いを拒否する場合、BとCは裁判で請求する必要があります。
具体例として、管理費が10万円の場合、Aが1/3(3.33万円)を負担し、残りの2/3(6.67万円)をBとCが負担します。Aは、Dから3.33万円を回収する必要があります。
共有不動産の管理費用に関するトラブルは、複雑になる可能性があります。特に、複数の共有者が存在し、所有権移転が未登記の場合、専門家のアドバイスが必要となるケースが多いです。
具体的には、弁護士や不動産専門家に相談することで、法的リスクを回避し、効率的な解決策を見つけることができます。
未登記の所有権移転であっても、共有者の管理費用負担義務は消滅しません。BとCはAに、AはDに請求できます。しかし、複雑な状況では専門家の助言を受けることが重要です。 登記の重要性と、請求権の発生根拠を理解することで、トラブルを未然に防ぎ、スムーズな解決に繋げることができます。
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