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共有名義の建物担保ローン:勝手に申請されたらどうなる?同意無効の可能性と注意点
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* 共有名義人である友人が、私の同意を得ずに建物全体を担保にローンを申請し、それが通ってしまう可能性はありますか?
* もし、勝手に申請されてローンが通ってしまった場合、その同意を無効にすることはできるのでしょうか?
不動産の共有名義とは、1つの不動産を複数人で所有する形態です。 例えば、2人で共有名義であれば、それぞれが所有権の半分を所有することになります(持分は必ずしも半分とは限りません)。 不動産を担保にローンを組む場合(不動産担保ローン)、所有者の同意が必要になります。 所有者が1人の場合はその人の同意だけで済みますが、共有名義の場合は、全ての共有者の同意が原則として必要です。 これは、担保となる不動産の処分(競売など)に、全ての共有者が関与する権利を持つためです。
質問者様の友人が、同意を得ずに建物全体を担保にローンを申請し、それが通ってしまう可能性は、残念ながらゼロではありません。 銀行は、書類上の手続きが整っていれば、必ずしも全ての共有者の同意を厳格に確認するとは限りません。 しかし、銀行は融資の際に、登記簿謄本(所有権の状況が記載された公的な書類)を確認します。 登記簿に共有名義が記載されている場合、銀行は本来、全ての共有者の同意を得ていることを確認すべきです。
仮に、同意を得ずにローンが通ってしまった場合、その同意は無効と主張できる可能性があります。 ただし、これは裁判で争う必要があり、成功するかどうかは、状況証拠や証拠の有無によって大きく左右されます。
このケースでは、民法(特に共有に関する規定)が関係します。 民法では、共有物の管理や処分には、共有者の全員の同意が必要とされています。 銀行が共有者の同意を得ずにローンを承諾した場合、民法上の共有関係に反する行為として、無効と主張できる可能性があります。
銀行は、融資を行う際に、担保となる不動産の所有権状況を調査する義務があります。 しかし、銀行が全ての共有者の同意を完璧に確認できなかったとしても、必ずしも銀行に責任があるとは限りません。 共有者間のトラブルに巻き込まれることを避けるため、銀行は、書類上の手続きが整っているか、そして、表面上は問題がないかを確認する傾向にあります。
もし、友人が勝手にローンを申請した疑いがある場合、証拠をしっかりと確保することが重要です。 例えば、ローン申込書のコピー、銀行とのやり取りの記録などです。 これらの証拠は、後日の裁判で非常に重要な役割を果たします。
今回のケースは、法律的な知識が必要となる複雑な問題です。 ご自身で判断するよりも、弁護士などの専門家に相談することを強くお勧めします。 専門家は、状況を的確に判断し、適切なアドバイスや法的措置を提案してくれます。 特に、同意無効を主張する場合、裁判になる可能性も考慮し、専門家のサポートは不可欠です。
共有名義の不動産を担保にローンを組む際には、全ての共有者の同意が原則必要です。 同意を得ずにローンが通ってしまう可能性はゼロではありませんが、同意無効を主張できる可能性もあります。 しかし、その成否は状況証拠に大きく依存します。 そのため、疑わしい状況であれば、すぐに弁護士などの専門家に相談し、適切な対応を取ることをお勧めします。 事前に共有者間で、不動産の利用や処分に関する明確な合意を文書化しておくことも、トラブル防止に繋がります。
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