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共有地の建物建築と土砂流出!物件的請求権の行使と限界を徹底解説
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「共有者は持分に基づき全部を使用収益する権利がある」ということは、Bさんが勝手に建物を建ててもAさんは何もできないのでしょうか? 土砂流出の場合と何が違うのか、そしてAさんがBさんに対してできる請求は何なのか、具体的に知りたいです。 妨害排除請求と返還請求の違いもよく理解できていません。
まず、共有物(複数の者が共同で所有する財産)について理解しましょう。共有者(共有する権利を持つ者)は、その持分に応じて共有物を自由に使用・収益する権利があります(民法244条)。これは、共有地の全部を使用できるという意味ではありません。他の共有者の権利を著しく害しない範囲での使用・収益に限られます。
Bさんが単独で建物を建て、居住している場合、Aさんはすぐに明け渡し請求(建物を壊して土地を明け渡させる請求)ができるわけではありません。Bさんは共有者として、共有物を使用する権利があるからです。しかし、Bさんの行為がAさんの権利を著しく害する場合、AさんはBさんに対して、その行為をやめさせるための請求(妨害排除請求)を行うことができます。
一方、宅地造成工事による土砂流出は、Aさんの共有地の状態を著しく変更する行為であり、Aさんの権利を侵害しています。この場合、AさんはBさんに対して、土砂の撤去を求める請求(返還請求)を行うことができます。
この問題は、民法(特に共有に関する規定)が関係します。民法244条は共有者の使用収益権を定めていますが、同時に他の共有者の権利を害してはならないと暗黙的に規定しています。 また、民法251条には、共有物の保存、改良、管理に関する規定があり、共有者間の合意が得られない場合の裁判所の介入についても定められています。
「共有者は持分に基づき全部を使用収益する権利がある」という記述は、他の共有者の権利を侵害しない範囲内での使用収益を意味します。 単独で建物を建てる行為は、場合によっては他の共有者の権利を著しく侵害すると判断される可能性があります。 つまり、使用収益権は絶対的なものではなく、制限を受ける可能性があるのです。
Bさんが建物を建てた場合、まずはBさんと話し合い、解決を試みるべきです。話し合いがまとまらない場合は、弁護士に相談し、内容証明郵便(証拠として残る文書)を送付するなど、法的措置を検討する必要があります。 土砂流出の場合も、同様に話し合いが優先されますが、状況によっては、すぐに弁護士に相談し、仮処分(裁判所の命令によって、現状維持を強制する措置)を請求することも考えられます。
共有に関する問題は、法律の解釈が複雑で、個々の事情によって判断が大きく変わる可能性があります。 話し合いがうまくいかない場合、あるいは、法的措置を検討する必要がある場合は、不動産に詳しい弁護士や司法書士に相談することを強くお勧めします。専門家の助言を得ることで、適切な対応を講じることができ、紛争を回避したり、有利な解決を導いたりすることができるでしょう。
共有者の使用収益権は、他の共有者の権利を害しない範囲に限定されます。 建物の建築や土砂流出など、共有地の状態を著しく変更する行為は、妨害排除請求や返還請求の対象となり得ます。 問題が発生した場合は、まずは話し合い、それでも解決しない場合は専門家への相談を検討しましょう。 法律の専門家の助言は、紛争の早期解決に繋がるだけでなく、不利益を最小限に抑える上で非常に重要です。
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