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共有地分割と所有権移転登記:登記簿と現実の食い違いを解消する方法

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共有物分割をする際に、更正登記(登記簿の訂正)が必要なのかどうかが分かりません。今まで、一部移転をして分割していく方法しか知らなかったので、共有物分割の方法について知りたいです。また、共有物分割をする際の注意点も教えてください。
まず、不動産の所有形態について整理しましょう。「共有」とは、複数の人が一つの不動産を共同で所有する状態です。一方「単独所有」は、一人のみが所有権を有する状態です。登記簿(不動産登記簿)は、不動産の所有者や権利関係を公的に記録したものです。理想的には、登記簿の内容と現実の所有状況は一致しているべきですが、今回のケースのように、登記簿と現実が食い違っているケースも存在します。これは、過去に何らかの理由で登記が正確に行われなかった、もしくは変更手続きがなされなかったためです。
質問者様のケースでは、登記簿上は単独所有となっていますが、実際は共有状態です。これは、登記簿に記載された事実と現実の状況が一致していない状態です。共有物分割を行う際には、まずこの食い違いを解消する必要があります。そのため、共有状態を登記簿に反映させる「更正登記」が必要となります。更正登記とは、登記簿に誤りや不備があった場合に、その誤りを訂正する登記です。(登記簿の記載事項と現実の状況が異なる場合も、この更正登記の対象となります)。共有状態を登記簿に反映させた後、共有物分割の手続きに移行します。
この問題は、不動産登記法(不動産の所有権などの権利関係を登記する法律)に関係します。不動産登記法は、登記簿の正確性を保つことを目的としており、登記簿と現実の状況に不一致がある場合は、更正登記を行うことが求められます。共有物分割の登記も、この法律に基づいて行われます。
一部移転による分割は、共有者の一人が他の共有者から一部の持分を買い取る方法です。一方、共有物分割は、共有されている不動産を物理的に分割するか、または換価(売却)して代金を分割する方法です。質問者様のケースでは、登記簿上の所有権が単独名義であるため、まず更正登記で共有状態を明らかにし、その後、共有物分割を行う必要があります。単に一部移転を繰り返すだけでは、登記簿上の不一致は解消されません。
共有物分割の手続きは、専門知識が必要となるため、司法書士などの専門家に依頼することを強くお勧めします。専門家は、更正登記の手続きから共有物分割の方法(物理的分割か換価分割か)の検討、分割協議、登記申請まで、適切なアドバイスとサポートを提供してくれます。具体的には、まず司法書士に相談し、現状の登記簿謄本を提示して、共有状態であることを証明する証拠(例えば、購入契約書、遺産分割協議書など)を提出します。その後、更正登記と共有物分割の申請手続きを進めます。
共有物分割は、法律や手続きが複雑で、当事者間での合意形成が難しい場合もあります。特に、共有者間の関係が悪化している場合や、不動産の価値が高額である場合は、紛争に発展する可能性があります。このような場合、トラブルを回避し、円滑に手続きを進めるためには、司法書士などの専門家に相談することが非常に重要です。専門家は、法律的な知識に基づいて適切なアドバイスを行い、紛争解決にも尽力してくれます。
登記簿と現実の状況に不一致がある場合、共有物分割を行う前に更正登記を行う必要があります。共有物分割は複雑な手続きを伴うため、専門家である司法書士に相談し、適切なアドバイスとサポートを受けることが重要です。 正確な登記と円滑な手続きを進めることで、トラブルを回避し、安心して共有物分割を終えることができます。
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