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共有根抵当権と共有抵当権の違いとは?不動産担保の基礎知識と実務
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共有抵当権は存在するのでしょうか?もし存在しないのなら、その理由を知りたいです。共有根抵当権との違いも教えていただけると嬉しいです。
不動産を担保(抵当)に資金を借りる場合、主に「抵当権」と「根抵当権」の2種類があります。どちらも債務者が債務を履行しなかった場合、債権者(お金を貸した人)が担保不動産を売却して債権を回収できる権利です。
違いは、担保となる不動産の範囲にあります。抵当権は、特定の不動産を担保に設定しますが、根抵当権は、将来取得する不動産も含めて担保に設定できます。例えば、会社が事業拡大のために複数の不動産を取得する際に、将来取得する不動産も担保に含めることができるのが根抵当権の特徴です。(民法372条)
共有根抵当権とは、複数の債権者が、同じ不動産を担保に設定する権利のことです。例えば、AさんとBさんが共同で事業を行い、Cさんから資金を借り入れ、その担保として所有する不動産に共有根抵当権を設定するといったケースが考えられます。複数の債権者が、それぞれ設定した根抵当権の順位に従って、担保不動産から債権を回収できます。
では、共有抵当権はなぜ存在しないのでしょうか?これは、抵当権の性質に起因します。抵当権は、特定の不動産を担保に設定する権利です。複数の債権者が同じ不動産を担保に設定する場合、それぞれの債権者の権利を明確に区別するために、個々の抵当権を設定する必要があります。
共有抵当権のように、複数の債権者が一つの抵当権を共有する仕組みでは、各債権者の権利の順位や行使方法が曖昧になり、紛争の原因となる可能性が高いです。そのため、民法上は共有抵当権は認められていません。
「共有」という言葉から、複数の者が権利を共有することをイメージしがちです。しかし、抵当権は、債権者と債務者間の権利関係を規定するものであり、債権者同士が権利を共有する仕組みではありません。共有根抵当権においても、複数の債権者がそれぞれ独立した根抵当権を有しているのです。
複数の債権者が不動産を担保に資金を借り入れる際は、各債権者と個別に抵当権を設定する必要があります。この際、抵当権の順位(優先順位)を明確にすることが非常に重要です。先に設定された抵当権は、後に設定された抵当権よりも優先的に弁済(債権の回収)されます。
不動産担保に関する契約は、複雑で専門的な知識が必要となります。複数の債権者、複雑な債務関係、将来の不動産取得など、状況によっては、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。特に、抵当権の設定や順位、債権回収の手続きなどにおいては、専門家のアドバイスが不可欠です。
共有根抵当権は存在しますが、共有抵当権は存在しません。これは、抵当権の性質と、複数の債権者の権利を明確に区別する必要性からきています。不動産担保に関する契約は複雑なため、専門家の助言を得ながら、適切な手続きを進めることが重要です。特に、複数の債権者や複雑な債務関係がある場合は、専門家への相談を検討しましょう。 抵当権の順位や弁済方法など、理解が不十分なまま契約を進めると、後々大きなトラブルにつながる可能性があります。
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