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共有物と共有物の使用・分割:宅建試験対策にもなる解説

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「共有物の使用」と「共有物の分割」は、どちらも共有物を分けて使うことではないのでしょうか? この2つの違いを、分かりやすく教えてください。宅建試験にも役立つような詳しい説明をお願いします。
まず、共有物(きょうゆうぶつ)とは、複数の所有者が共同で所有する財産のことです。例えば、相続によって兄弟姉妹で土地を共有したり、共同でマンションを購入したりするケースが考えられます。 共有する財産は、土地や建物だけでなく、動産(建物以外で自由に移動できる財産)も含まれます。 重要なのは、複数の所有者が「共有持分」という形で、その財産を所有しているという点です。 共有持分とは、共有物に対する権利の割合を示すもので、例えば、2人で共有している土地であれば、それぞれ50%ずつ持分を持つことになります。
共有物の使用とは、共有者それぞれが、自分の持分に応じて共有物を自由に使用できる権利のことです。 例えば、共有している土地に家を建てる、共有している畑で農作物を栽培する、といった行為が該当します。 ただし、他の共有者の権利を著しく害するような使用はできません。 例えば、共有している土地に勝手に大きな建物を建てて、他の共有者が利用できなくなってしまうような行為は、認められません。 共有物の使用は、共有関係を維持したまま、各共有者が自分の権利を行使することです。
共有物の分割とは、共有関係を解消し、共有物を各共有者ごとに分けて所有することです。 例えば、共有している土地を、各共有者の持分に応じて区画分けして、それぞれが単独で所有するようになることです。 共有物の分割は、裁判所を通して行うこともできますし、共有者同士で合意して行うこともできます。 共有物の分割は、共有関係そのものを解消する行為であるため、共有物の使用とは全く異なる概念です。
「共有物の使用」と「共有物の分割」を混同しやすいのは、どちらも共有物を「分けて使う」という点があるからです。しかし、その「分ける」という行為の意味が大きく違います。共有物の使用は、共有関係を維持したまま、各共有者が自分の持分に応じて利用することです。一方、共有物の分割は、共有関係そのものを解消し、共有物を完全に別々の所有物にすることです。 これは、リンゴをみんなで食べる(使用)のと、リンゴを人数分に分けてそれぞれが持ち帰る(分割)の違いに似ています。
共有関係にあると、トラブルが発生しやすいものです。 共有物の使用について、事前に共有者間で合意しておくことが重要です。 例えば、共有している土地の使用に関するルールを明確に定めておくことで、後々のトラブルを回避できます。 また、共有関係が長期間続く場合、定期的に共有者間で話し合い、状況に応じて共有物の管理方法や使用ルールを見直すことも有効です。 どうしても合意できない場合は、弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。
共有物の使用や分割に関するトラブルが発生した場合、または、共有者間で合意が得られない場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。 専門家は、法律に基づいた適切なアドバイスを行い、紛争解決を支援してくれます。 特に、共有物の分割は、複雑な手続きや法律知識が必要となる場合があるため、専門家の助けを借りることは非常に重要です。
共有物の使用は、共有関係を維持したまま、各共有者が自分の持分に応じて共有物を利用する権利です。一方、共有物の分割は、共有関係を解消し、共有物を各共有者ごとに分けて所有することです。 この2つの違いを理解することは、宅建試験対策だけでなく、日常生活においても非常に重要です。 共有に関するトラブルを避けるためにも、共有者間での明確な合意形成と、必要に応じて専門家への相談を検討しましょう。
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