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共有物件の差し押さえ!私の持ち分も危ない?相続と競売の落とし穴
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妹の借金が原因で、共有している土地が差し押さえられ、競売にかけられる可能性があると不動産会社から言われました。私の持ち分も差し押さえられてしまうのかどうか、不安です。
まず、共有物件(共有不動産)とは、複数の人が所有権を共有している不動産のことです。今回のケースでは、質問者さんと妹さんが実家の土地と建物を共有しています。一方、債権者とは、借金をしている人(債務者)に対して金銭を貸し出した人や、商品やサービスを提供した人のことです。妹さんの場合、ギャンブルで借金をした相手が債権者となります。
妹さんが借金の返済ができなくなった場合、債権者は妹さんの財産を差し押さえることができます(強制執行)。その財産には、妹さんが所有する共有物件の持ち分も含まれます。つまり、質問者さんの持ち分も差し押さえられて、競売にかけられる可能性があるのです。これは、民法上の「共有物分割」の規定とは別に、債権者の権利行使として行われます。
このケースでは、民法(特に共有に関する規定)と民事執行法(強制執行に関する規定)が関係します。民事執行法は、債権者が債務者に対して持つ権利を、裁判所の執行官を通じて実現するための法律です。強制執行の一環として、債務者の財産(共有物件の持ち分を含む)が差し押さえられ、競売にかけられます。
「共有物件だから、私の持ち分は安全」と考えるのは危険です。共有物件であっても、共有者の1人の借金が原因で、全共有者の持ち分が差し押さえられる可能性があります。共有関係は、債権者と債務者間の関係とは別個に存在するためです。
例えば、妹さんが1000万円の借金があり、共有物件の評価額が2000万円だとします。妹さんの持ち分が半分(1000万円相当)であれば、債権者はその持ち分を差し押さえ、競売にかけて借金を回収しようとします。競売の結果、1000万円で売却された場合、債権者への返済に充当され、残りは妹さんに支払われます。しかし、競売価格が1000万円を下回った場合、債権者は回収額が減ってしまう可能性があります。そして、質問者さんの持ち分も競売にかけられるため、売却によって持ち分を失う可能性があります。
妹さんの借金問題が深刻な場合、または差し押さえ・競売の手続きが始まった場合は、弁護士や司法書士に相談することを強くお勧めします。専門家は、法律に基づいた適切な対応策をアドバイスし、最悪の事態を回避するための手続きをサポートしてくれます。特に、競売開始前に、債権者と交渉して、分割払いなどの合意を目指すことも可能です。
共有物件であっても、共有者の1人の借金によって、全共有者の持ち分が差し押さえられ、競売にかけられる可能性があります。債権者の権利行使は、共有関係とは独立して存在します。妹さんの借金問題が深刻な場合は、弁護士や司法書士に相談し、適切な対応を検討することが大切です。早めの相談が、損失を最小限に抑えることに繋がります。早期に専門家への相談を検討することで、より良い解決策を見つけられる可能性が高まります。
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