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共有物件の管理・処分:3人の持ち主が知っておくべき権利と義務

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共有物件の管理や修繕、改修などについて、それぞれの持ち主の権利と義務が分からず困っています。例えば、私だけが勝手に修繕して費用を請求できるのか、また、他の人から同意を得ずに権利を設定できるのかなど、具体的なルールを知りたいです。
共有物件(複数の所有者が共同で所有する物件)の管理・処分は、民法(日本の法律)で規定されています。 簡単に言うと、共有物件に関する重要な決定は、原則として**全員の同意**が必要です。 これは、単なる多数決ではなく、全共有者の合意がなければ、大きな変更を加えることはできないということです。 例えば、建物の解体や大規模な改修などは、全員の同意を得なければ実行できません。
質問者さんのケースについて、一つずつ見ていきましょう。
① **持分所有権者の一人が単独で点検・修理・保全を行えますか?**
いいえ、原則としてできません。 軽微な修繕(例えば、小さな傷の補修など)であれば、他の共有者に事前に連絡し、了解を得ることで問題ないケースもありますが、大きな修理や点検は、他の共有者の同意を得ることが必要です。 勝手に修理した場合、費用負担を他の共有者に請求することはできません。
② **①で一人がメンテナンス代を支払いした場合には他の二人は代金支払い義務がありますか?**
いいえ、ありません。 勝手に費用を負担したとしても、他の共有者に請求する権利はありません。 事前に合意を得ていないからです。
③ **持分所有権者の一人が改修・改良をする場合には、他の一人の同意だけで良いですか?**
いいえ、全員の同意が必要です。 改修・改良は、建物の状態を大きく変える行為なので、他の共有者の同意を得ずに勝手に進めることはできません。
④ **③において一人が改修・改良代金を支払いした場合には他の二人は代金支払い義務がありますか?**
いいえ、ありません。 これも、事前に合意を得ていないため、費用を請求することはできません。
⑤ **共有者の一人が他の権利設定をする場合、他の一人の同意だけで良いですか?**
いいえ、全員の同意が必要です。 共有物件に抵当権(担保として設定する権利)を設定したり、賃貸借契約を結んだりする場合も、他の共有者の同意が必要です。 これは、共有物件全体の価値や利用状況に影響を与える可能性があるためです。
民法第257条以下が共有に関する規定を定めています。 特に、共有物の管理や処分に関する規定は重要です。 これらの規定は、共有者間の紛争を防ぎ、公平な管理を促進するために存在します。
共有物件の管理は、必ずしも全員が同じ意見を持つ必要はありません。 しかし、重要な決定事項については、全員の合意を得ることが必要です。 「多数決で決まる」という誤解は避けましょう。 また、軽微な修繕と大規模な改修の区別も重要です。 軽微な修繕であっても、事前に他の共有者に連絡し、了解を得ることが望ましいです。
共有物件の管理を円滑に進めるためには、事前に共有者間で話し合い、管理規約(共有者間のルールを定めた文書)を作成することが有効です。 管理規約には、修繕や改修に関する費用負担の方法、意思決定の方法などを明確に記載しましょう。 また、定期的に共有者間で集まり、建物の状況を確認し、今後の管理計画について話し合うことも重要です。 弁護士や不動産管理会社に相談し、専門家のアドバイスを受けることも有効です。
共有者間で意見が対立し、話し合いがまとまらない場合、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。 専門家は、法律に基づいた適切なアドバイスを行い、紛争解決を支援します。 特に、高額な修繕費用が発生する場合や、権利設定などの複雑な問題が発生する場合は、専門家の助言が不可欠です。
共有物件の管理・処分は、原則として**全員の同意**が必要です。 勝手に修繕や改修を行うことはできず、費用を請求することもできません。 円滑な共有物件の管理のためには、共有者間のコミュニケーションと、必要に応じて専門家の助言を受けることが重要です。 事前に管理規約を作成し、ルールを明確にしておくことで、トラブルを予防することができます。
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