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内縁関係解消後の財産分与:老後を迎える男女のケースと法律上の注意点

【背景】
60代男性と女性が10年間の内縁関係を解消することになりました。男性には内縁関係開始前に取得した900万円の財産があり、内縁関係開始前に購入し、その後完済した不動産があります。女性は収入がなく、家事手伝いをしていた状態です。現在、男性の財産は100万円となっています。

【悩み】
内縁関係解消時に、男性は女性に財産分与をする必要があるのかどうか、またその計算方法について知りたいです。男性の財産は、内縁関係開始前に取得したものであり、女性は財産形成に貢献していないと考えているため、財産分与は不要と考えています。しかし、女性は家事手伝いをしていたことを主張しており、男性は困惑しています。

原則、財産分与は不要です。ただし、状況によっては例外も。

テーマの基礎知識:内縁関係と財産分与

内縁関係とは、婚姻届を提出せずに夫婦として生活している状態です(事実婚)。法律上は婚姻関係とは認められていませんが、長期間にわたる同居や協力関係があれば、財産分与の対象となる場合があります。 しかし、婚姻関係とは異なり、法律で明確に財産分与の規定があるわけではありません。そのため、裁判になった場合、個々の事情を総合的に判断して決定されます。

今回のケースへの直接的な回答:財産分与の可能性は低い

このケースでは、男性の財産の大部分は内縁関係開始前に取得されたものであり、女性は財産形成に直接貢献していません。また、女性の主張する家事手伝いについても、それが財産形成にどれほど貢献したのかを客観的に証明することが難しいでしょう。そのため、裁判になったとしても、女性への財産分与が認められる可能性は低いと言えます。

関係する法律や制度:民法上の不当利得

法律的には、民法上の「不当利得」(自分の行為によって、不当に利益を得た場合、相手方に返還する義務が生じる)という観点から、議論される可能性があります。しかし、このケースでは、男性が女性に不当に利益を与えたと判断するのは難しいでしょう。女性が家事労働を行ったとしても、それが男性への「不当な利益」に該当するとは言い切れません。

誤解されがちなポイントの整理:貢献度と財産分与

内縁関係における財産分与は、婚姻関係とは異なり、貢献度を明確に数値化することが困難です。家事労働や育児は、金銭的な価値に換算しにくい側面があります。そのため、貢献度を主張するだけでは、必ずしも財産分与が認められるとは限りません。

実務的なアドバイスや具体例の紹介:話し合いと証拠の重要性

まずは、男性と女性で話し合い、納得できる解決策を見つけることが重要です。話し合いがまとまらない場合は、弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。もし裁判になった場合、家事労働の貢献度を証明する証拠(例えば、家計簿や証言など)は非常に重要になります。

専門家に相談すべき場合とその理由:複雑なケースや紛争発生時

内縁関係解消後の財産分与は、複雑な法律問題を含む可能性があります。話し合いが難航したり、紛争が発生したりする場合は、弁護士などの専門家に相談することを強くお勧めします。専門家は、個々の事情を考慮した上で、最適な解決策を提案してくれます。

まとめ:内縁関係解消時の財産分与は個々の事情次第

内縁関係解消後の財産分与は、婚姻関係とは異なり、法律に明確な規定がありません。そのため、個々の事情を総合的に判断する必要があります。今回のケースのように、男性の財産が内縁関係開始前に取得されたものであり、女性の貢献度が低い場合は、財産分与が認められる可能性は低いでしょう。しかし、状況によっては、不当利得の観点から議論される可能性もあります。話し合いが難航する場合は、専門家のアドバイスを受けることが大切です。

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