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内縁関係解消時の財産分与:不動産と預貯金の評価方法を徹底解説

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不動産と預貯金の評価方法が分からず、公正な分与が出来るか不安です。特に、内縁開始前の預貯金や、別居時の預貯金の減少についても、どのように評価されるのかが心配です。
#### 財産分与の基礎知識
財産分与とは、婚姻関係(または内縁関係)解消時に、夫婦(または内縁関係にあった者)が共有してきた財産を、公平に分割することです。婚姻関係では民法760条に規定されていますが、内縁関係の場合は法律上の規定はありません。しかし、判例や学説では、婚姻関係と同様に、公平な分与が認められています。この公平な分与は、双方の貢献度や生活水準などを考慮して行われます。
#### 不動産の評価方法
① **不動産鑑定評価**:最も正確な評価方法です。不動産鑑定士(不動産の価格を専門的に評価する国家資格者)が、物件の立地、築年数、状態などを考慮して価格を算出します。費用はかかりますが、紛争回避のためにも有効です。
② **業者への下取り価格**:不動産会社に売却を依頼した際に出される価格です。鑑定評価より低いことが多いです。
③ **広告価格(売出価格)**:実際に売却する場合の価格です。下取り価格より高いですが、実際に売れる保証はありません。
これらの方法に加え、類似物件の取引価格なども参考に、総合的に判断されます。裁判になった場合は、裁判所が鑑定評価を命じることもあります。
#### 預貯金の評価方法
内縁関係解消時の預貯金の評価は、原則として別居時点の残高が基準となります。ただし、内縁開始前の預貯金(固有財産)については、その後の収入状況や生活費への貢献度などを考慮して、個別に判断されます。質問者様のケースでは、相手が無職であること、年齢の相場以上の収入を得ていたにもかかわらず別居時に預貯金が激減している点が考慮される可能性があります。
相手が故意に預貯金を減らしたと判断されれば、その行為は財産分与の対象となる可能性があります。しかし、単なる浪費や投資失敗による減少であれば、必ずしも財産分与の対象になるとは限りません。裁判になった場合は、預貯金の減少経緯を詳しく説明する必要があります。
#### 関係する法律や制度
内縁関係には、民法上の規定がありません。そのため、財産分与は判例や学説に基づいて判断されます。具体的には、不当利得請求や共有物分割請求などが考えられます。
#### 誤解されがちなポイント
* **内縁関係だから財産分与ができないわけではない**:内縁関係であっても、長期間にわたる同居や経済的な協力関係があれば、財産分与が認められる可能性があります。
* **預貯金の減少は必ずしも悪意とは限らない**:生活費の支出や投資失敗など、様々な理由で預貯金が減少する可能性があります。悪意があったかどうかを判断する必要があります。
* **不動産の評価は一律ではない**:不動産の評価は、物件の状況や市場状況によって大きく異なります。
#### 実務的なアドバイス
* **証拠をしっかり確保する**:預貯金の残高明細、不動産の登記簿謄本、収入証明書など、証拠となる資料をしっかりと保管しておきましょう。
* **弁護士に相談する**:複雑なケースでは、弁護士に相談して法的アドバイスを受けることが重要です。弁護士は、あなたの権利を保護し、有利な条件で交渉を進めるお手伝いをします。
* **話し合いで解決を目指す**:裁判は時間と費用がかかります。まずは、相手と話し合って解決を目指しましょう。
#### 専門家に相談すべき場合
* 相手との話し合いがうまくいかない場合
* 財産分与の額に大きな食い違いがある場合
* 法律的な知識が不足していると感じている場合
* 相手の行動に不正な点がある疑いがある場合
これらの場合は、弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。
#### まとめ
内縁関係解消時の財産分与は、不動産の鑑定評価、預貯金の別居時残高を基準に、公平に判断されます。内縁開始前の預貯金は原則固有財産ですが、状況によっては分与対象となる可能性もあります。複雑なケースでは、弁護士などの専門家に相談することが重要です。証拠をしっかり確保し、冷静に話し合いを進めることが大切です。
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