- Q&A
処分禁止の仮処分と占有移転禁止の仮処分の違いとは?使い分けをわかりやすく解説

共有持分についてお困りですか?
おすすめ3社をチェック【悩み】
まず、今回のテーマである「仮処分」について、基本的な知識から見ていきましょう。仮処分とは、裁判を起こす前に、今の状態を保ったり、将来のトラブルを防いだりするために裁判所が行う手続きのことです。
裁判は時間がかかることが多く、その間に状況が変わってしまうと、裁判で勝っても意味がない場合があります。例えば、不動産の所有権を巡る争いをしている間に、相手がその不動産を第三者に売ってしまったら、裁判で勝っても不動産を取り戻せなくなるかもしれません。
そこで、裁判が終わるまでの間、今の状態を一時的に保全するために、仮処分という手続きが用いられます。仮処分には、大きく分けて「現状を維持するための仮処分」と「権利を守るための仮処分」の2種類があります。
今回のテーマである「処分禁止の仮処分」と「占有移転禁止の仮処分」は、どちらも「権利を守るための仮処分」に該当します。
今回の質問の核心である「処分禁止の仮処分」と「占有移転禁止の仮処分」の使い分けについて説明します。
処分禁止の仮処分は、不動産に関する権利(所有権や賃借権など)を勝手に変更されるのを防ぐために使われます。例えば、不動産の所有者が、その不動産を第三者に売却したり、抵当権を設定したりするのを禁止するために、この仮処分を申し立てます。
一方、占有移転禁止の仮処分は、不動産の占有(実際にその不動産を使っている状態)が勝手に第三者に移転するのを防ぐために使われます。例えば、賃貸借契約が終了した場合に、賃借人がその物件を第三者に渡してしまうのを防ぐために、この仮処分を申し立てます。
賃貸人が賃借人に建物の明け渡しを求める場合、通常は「占有移転禁止の仮処分」を申し立てます。これは、賃借人が建物を明け渡す前に、勝手に第三者に占有を移してしまうのを防ぐためです。もし、占有が第三者に移ってしまうと、裁判で勝っても、その第三者から建物を明け渡してもらう必要が出てきて、手続きが複雑になる可能性があります。
これらの仮処分は、民事保全法という法律に基づいて行われます。民事保全法は、裁判所の決定をスムーズに進めるための手続きを定めています。仮処分は、この民事保全法で規定されている「保全処分」の一種です。
仮処分を申し立てるには、裁判所に「疎明(そめい)」を行う必要があります。疎明とは、裁判官に対して、仮処分の必要性や、権利があることを、証拠に基づいて説明することです。
よくある誤解として、「処分禁止の仮処分」と「占有移転禁止の仮処分」のどちらを先に申し立てるべきか、という点があります。
原則として、どちらを先に申し立てなければならないという決まりはありません。しかし、状況に応じて、どちらを優先すべきか、あるいは両方を同時に申し立てるべきかを判断する必要があります。
例えば、賃貸借契約の解除を前提として、建物の明け渡しを求める場合、まず「占有移転禁止の仮処分」を申し立てるのが一般的です。なぜなら、明け渡し訴訟を起こす前に、占有が第三者に移転してしまうと、訴訟が複雑化する可能性があるからです。
一方、賃借人が賃借権を第三者に譲渡する可能性がある場合は、「処分禁止の仮処分」も併せて申し立てることも考えられます。
実際に仮処分を申し立てる際の手続きの流れを簡単に説明します。
この流れはあくまで一般的なものであり、個別のケースによって異なる場合があります。
仮処分は、専門的な知識と経験が必要な手続きです。ご自身で手続きを行うことも可能ですが、以下のような場合は、弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。
専門家は、あなたの状況に合わせて、最適な仮処分の種類を選び、手続きをスムーズに進めるためのサポートを行います。また、万が一、仮処分が認められなかった場合でも、その後の対応について適切なアドバイスをしてくれます。
今回の解説の重要ポイントをまとめます。
不動産に関するトラブルは、複雑で、法的知識も必要になることが多いです。困ったときは、専門家に相談し、適切なアドバイスを受けることが、問題解決への第一歩となります。
共有持分についてお困りですか?
おすすめ3社をチェック