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分譲マンションの低層階居住者とエレベーター、機械式駐車場:管理費・修繕積立金の負担は公平か?

【背景】
私は分譲マンションの低層階に住んでいます。エレベーター(ELV)が故障したり、最悪なくなっても、日常生活に大きな支障はありません。また、機械式駐車場がありますが、私は利用していません。

【悩み】
管理費や修繕積立金は、マンション全体の設備を維持するために、居住者全員が均等に負担するべきだと思いますが、私はエレベーターや機械式駐車場を利用しないので、それらの維持費を負担することに納得がいきません。低層階居住者で、機械式駐車場を利用していない人は、管理費や修繕積立金が多少安くなるのでしょうか?

管理費・修繕積立金は、通常、居住面積に基づき均等負担です。

回答と解説

テーマの基礎知識:分譲マンションの管理費と修繕積立金

分譲マンションでは、建物の維持管理や修繕のために、居住者から管理費と修繕積立金が徴収されます。

* **管理費**: 日常的な清掃、共用部分の照明・設備の維持管理、管理員の給与などに使われます。
* **修繕積立金**: 大規模修繕(外壁塗装、屋上防水工事など)のための費用を積み立てていくものです。

これらの費用は、通常、区分所有法(民法の特則)に基づき、専有部分の面積(専有面積)に応じて按分(あんぶん)して負担します。つまり、広い部屋に住んでいる人は、狭い部屋に住んでいる人よりも多くの費用を負担することになります。 これは、共用部分の維持管理に、専有面積が大きいほど多く貢献すると考えられるためです。

今回のケースへの直接的な回答

残念ながら、エレベーターや機械式駐車場の利用状況に関わらず、管理費や修繕積立金が安くなることはありません。 多くのマンションでは、専有面積に基づいて均等に負担する仕組みになっています。 低層階に住んでいるから、あるいは機械式駐車場を利用していないからといって、負担額が減額されることはありません。

関係する法律や制度

区分所有法(民法第205条以下)が、マンションの管理費・修繕積立金の負担方法の基礎となっています。 この法律では、共用部分の維持管理費用は、区分所有者の共有持分に応じて負担すると定められています。 共有持分は、通常、専有面積に比例します。

誤解されがちなポイントの整理

「自分は使わないから負担したくない」という感情は理解できますが、マンションの共用設備は、全体としての価値を高め、居住者の生活の質を向上させるために存在します。 エレベーターは、高齢者や身体の不自由な方にとって不可欠な設備であり、機械式駐車場も、多くの居住者の利便性を高めるものです。 これらの設備は、個々の居住者にとって直接的なメリットがなくても、マンション全体の価値を維持・向上させる上で重要な役割を果たしています。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

管理組合の総会で、管理費・修繕積立金の負担方法について議論することは可能です。 しかし、専有面積以外の要素(エレベーターの利用頻度など)を考慮して負担額を決めることは、非常に複雑で、管理組合の運営を困難にする可能性があります。 そのため、専有面積に基づく負担方法が一般的であり、現実的です。

専門家に相談すべき場合とその理由

管理費・修繕積立金の負担方法に疑問や不満がある場合、管理組合の理事会や管理会社に相談することが第一歩です。 しかし、管理組合との間で意見の相違が解消しない場合、弁護士などの専門家に相談することを検討する必要があるかもしれません。 特に、管理規約に違法性がある、または管理組合の運営に問題があると思われる場合は、専門家の助言が必要となります。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

分譲マンションの管理費・修繕積立金は、原則として専有面積に基づき均等に負担する仕組みです。 エレベーターや機械式駐車場の利用状況は、通常、負担額には影響しません。 個々の居住者の感情的な納得感と、法的な負担義務は必ずしも一致しないことを理解しておく必要があります。 疑問や不満がある場合は、まずは管理組合に相談し、必要であれば専門家の意見を求めることが重要です。

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