分譲マンション室内での死亡事故。価格交渉は可能?相場は?
【背景】
- 中古分譲マンションの内覧をした。
- 物件は古いものの、気に入った。
- 内覧後、不動産屋から、前の持ち主が室内で死亡していたと告げられた。
- 死因は心筋梗塞で、自殺や事故ではない。
- 物件は相続されたもので、遺族が処分を希望している。
- 価格は相場より「ほんの少しだけ安い」とのこと。
【悩み】
- 室内での死亡歴がある物件について、価格交渉は可能か知りたい。
- 価格交渉する場合、相場価格からどの程度の値引きが妥当か知りたい。
心筋梗塞による死亡の場合、告知義務はありませんが、価格交渉は可能です。相場より数%〜1割程度の値引きを検討しましょう。
テーマの基礎知識:告知事項とは?
不動産取引において、「告知事項」(こくちじこう)という言葉があります。これは、物件の購入を検討する人に、事前に伝えておくべき重要な情報のことを指します。告知事項には、物件の価値や利用に影響を与える可能性があるものが含まれます。
告知事項は、主に以下の2つに分類されます。
- 心理的瑕疵(しんりてきかし): 過去にその物件で起きた出来事によって、購入者が心理的な抵抗を感じる可能性のあるもの。例えば、自殺や殺人、孤独死など。
- 物理的瑕疵(ぶつりてきかし): 物件の構造や設備に欠陥があること。例えば、雨漏りやシロアリ被害など。
今回のケースのように、心筋梗塞による死亡の場合、一般的には「心理的瑕疵」には該当しないとされています。なぜなら、心筋梗塞は病気による自然死であり、事件性がないからです。
今回のケースへの直接的な回答
今回の質問者さんのケースでは、不動産屋さんが事前に死亡の事実を教えてくれたのは、非常に誠実な対応と言えるでしょう。告知義務はないものの、購入者の心情に配慮した結果です。
価格交渉についてですが、告知義務がないからといって、交渉が全くできないわけではありません。物件の価格は、需要と供給の関係で決まります。室内での死亡という事実は、一部の購入者にとっては心理的な抵抗感につながる可能性があります。そのため、価格交渉の余地は十分にあると考えられます。
関係する法律や制度
不動産取引に関する法律として、重要事項説明義務があります。これは、不動産会社が物件の契約前に、物件に関する重要な情報を購入者に説明しなければならないという義務です。しかし、心筋梗塞による死亡は、この重要事項説明の対象には必ずしも含まれません。
ただし、不動産会社は、購入者の求めに応じて、誠実に情報を提供する義務があります。今回のケースのように、不動産屋さんが自主的に情報を開示したことは、この義務を果たすための良い事例と言えるでしょう。
誤解されがちなポイントの整理
この問題でよくある誤解は、「告知事項に該当しないから、価格交渉はできない」というものです。告知事項に該当するかどうかは、あくまでも法的義務の有無を判断する基準です。価格交渉は、購入者と売主の合意によって行われるものであり、告知事項の有無だけが全てを決定するわけではありません。
また、「孤独死」と「自然死」の違いも、誤解されやすいポイントです。孤独死は、誰にも看取られることなく、一人で亡くなることを指します。孤独死の中には、事件性がない自然死も含まれますし、自殺や他殺といった事件性のあるものも含まれます。今回のケースは、心筋梗塞による自然死ですので、孤独死ではありますが、事件性はありません。
実務的なアドバイスや具体例の紹介
価格交渉を行う際には、以下の点を考慮すると良いでしょう。
- 相場価格の調査: 近隣の類似物件の価格を調べ、相場を把握しましょう。
- 心理的影響の考慮: 室内での死亡という事実は、一部の購入者にとっては大きな心理的負担となります。その点を踏まえ、どの程度の値引きが妥当か検討しましょう。
- 情報収集: 死亡の状況(亡くなった場所、発見までの期間など)について、可能な範囲で情報を収集しましょう。
- 不動産会社との相談: 不動産会社に、過去の事例や相場感を尋ね、価格交渉の参考としましょう。
具体的な値引き額については、一概には言えません。しかし、一般的には、相場価格から数%〜1割程度の値引きが検討されることが多いようです。物件の状態や、購入者の心理的な抵抗感によって、交渉の幅は変わってきます。
例えば、以下のようなケースが考えられます。
- ケース1:物件の状態が良く、周辺環境も良好な場合。心理的な影響も少ないと判断し、相場価格から3%程度の値引きを交渉する。
- ケース2:物件が古い、または周辺環境に不安がある場合。心理的な影響も大きいと判断し、相場価格から5%〜10%程度の値引きを交渉する。
- ケース3:購入者が、どうしてもその物件が気に入っている場合。値引き額は少なくなる可能性もありますが、交渉を試みる価値はあります。
交渉の際には、誠実な態度で、自分の希望を伝えましょう。売主も、物件を早く売却したいと考えているはずですので、ある程度の妥協はしてくれる可能性があります。
専門家に相談すべき場合とその理由
以下のような場合は、専門家への相談を検討しましょう。
- 価格交渉が難航している場合: 不動産会社との交渉がうまくいかない場合や、売主との直接交渉が難しい場合は、専門家(不動産鑑定士や弁護士)に相談することで、客観的なアドバイスを得ることができます。
- 心理的な不安が大きい場合: 室内での死亡という事実に、強い心理的な抵抗を感じる場合は、専門家(カウンセラーなど)に相談することで、心のケアをすることができます。
- 物件の瑕疵(かし)について疑問がある場合: 告知されていない瑕疵(雨漏り、シロアリ被害など)が見つかった場合は、専門家(建築士など)に相談し、詳細な調査を依頼することができます。
専門家への相談は、費用がかかることもありますが、的確なアドバイスを得ることで、安心して不動産取引を進めることができます。
まとめ:今回の重要ポイントのおさらい
今回の質問の重要ポイントをまとめます。
- 心筋梗塞による室内での死亡は、告知義務の対象ではありません。
- 告知義務がない場合でも、価格交渉は可能です。
- 価格交渉の際には、相場価格、心理的影響、物件の状態などを考慮しましょう。
- 相場価格から数%〜1割程度の値引きが検討されることが多いです。
- 価格交渉が難航する場合は、専門家への相談も検討しましょう。
中古マンションの購入は、人生における大きな決断です。今回の情報が、少しでもお役に立てれば幸いです。慎重に検討し、納得のいく物件選びをしてください。