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区分所有マンション相続と譲渡所得税:取得費の扱いと節税対策

賃貸している区分所有マンションを子供か配偶者に相続することを考えています。ただ相続人が事後売却した場合に譲渡所得課税がどのように取られるかのかよくわかりません。被相続人が取得してから保有期間は10年経過しているので長期譲渡になると思っており、所得税15%(分離課税、復興税は別途)と住民税5%が課税されるという理解でいいのかと思います。わからないのは取得費の扱いです。これは被相続人が取得した時の取得額をそのまま使えるのでしょうか。もしそうだとすれば取得当時の不動産売買契約書(印紙付き)が残っているのでそれを相続人が持っていればその額を取得費として計上すればいいという理解でいいでしょうか。仮に、被相続人が取得した時の取得額が使えないとすると、取得額はどのように算定するのでしょうか。
相続時取得費は被相続人の取得価額です。

相続による区分所有マンションの譲渡所得税

相続時における取得費の考え方

相続によってマンションを取得した場合、譲渡所得税の計算における取得費は、被相続人がマンションを取得した時の価格(取得価額)をそのまま引き継ぎます。質問者様の認識通り、被相続人がマンションを購入した際の不動産売買契約書(印紙付き)があれば、その記載額が取得費となります。これは、相続によって取得した財産の価額は、被相続人の取得価額を基礎とするためです。

長期譲渡所得と税率

保有期間が10年以上であれば、長期譲渡所得となり、所得税率は15%(分離課税)、住民税率は5%が正しいです。復興特別所得税は、課税期間によって変動するため、税務署に確認することをお勧めします。

取得費が証明できない場合

もし、不動産売買契約書が見つからない場合は、どのように取得費を算定するのでしょうか?

この場合、税務署に提出する資料を準備し、税務署の判断を仰ぐ必要があります。具体的には、マンションの築年数、所在地、面積などの情報を元に、類似物件の取引事例などを調査し、その結果を基に取得費を推定することになります。この作業は、不動産鑑定士などの専門家の力を借りる方が確実です。

相続税との関係

相続税の申告と譲渡所得税の申告は別物です。相続税は、相続発生時に相続財産全体の評価額に基づいて課税されます。譲渡所得税は、相続人がマンションを売却した際に、売却益に対して課税されます。相続税の申告においてマンションの評価額が確定しても、それが譲渡所得税の取得費に直接影響するわけではありません。

譲渡所得税計算例

マンションの売却価格が5,000万円、取得費が2,000万円、譲渡費用(仲介手数料など)が50万円だったとします。

* 譲渡所得 = 売却価格 – 取得費 – 譲渡費用 = 5,000万円 – 2,000万円 – 50万円 = 2,950万円
* 所得税 = 譲渡所得 × 15% = 2,950万円 × 15% = 442万5千円
* 住民税 = 譲渡所得 × 5% = 2,950万円 × 5% = 147万5千円

合計で590万円の税金が課税されます。(復興特別所得税は別途)

誤解されやすいポイント

相続税の評価額と譲渡所得税の取得費が同じではない点に注意が必要です。相続税の評価額は相続時点での時価に基づいて算出されますが、譲渡所得税の取得費は被相続人の取得価額です。この違いを理解せずに、相続税の評価額を取得費として計算してしまうと、税金の計算が間違ってしまいます。

実務的なアドバイス

相続税と譲渡所得税の申告は複雑なため、税理士などの専門家に相談することを強くお勧めします。特に、取得費の算定が難しい場合や、節税対策を検討する際には、専門家のアドバイスが不可欠です。

専門家に相談すべき場合

* 不動産売買契約書が見つからない場合
* 相続税と譲渡所得税の申告が複雑な場合
* 節税対策を検討する場合
* 相続財産に複数の不動産が含まれる場合

まとめ

相続による区分所有マンションの譲渡所得税において、取得費は被相続人の取得価額です。不動産売買契約書があればそれを利用し、なければ専門家の協力を得て適切な取得費を算定することが重要です。税金計算は複雑なため、税理士などの専門家に相談し、適切な手続きを進めることをお勧めします。

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