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区分所有建物における規約設定:最初所有者と後継所有者の違いとは?

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最初の所有者と、その後から所有権を取得した者とで、管理規約の変更方法に違いがあるのはなぜなのか知りたいです。また、私のような後から所有権を取得した者でも、公正証書で規約を変更する方法はあるのでしょうか?
マンションなどの集合住宅は、区分所有法(民法の特別法)に基づいて管理されています。区分所有法では、建物の共有部分(廊下、階段など)と専有部分(各戸の部屋など)を明確に区別し、それぞれの所有権を定めています。 重要なのが「管理規約」です。これは、区分所有者全員が共同生活を円滑に進めるためのルールを定めたもので、建物の維持管理、修繕、使用制限などに関する事項を規定しています。(例:ペットの飼育可否、バルコニーの使用制限など)
質問者様がおっしゃる通り、最初に建物の専有部分を全部所有した者は、公正証書(法律行為の証拠となる公的な文書)によって管理規約を作成・変更することができます。しかし、その後、他の区分所有者から区分所有権を譲り受けた者は、単独で公正証書による規約の設定・変更はできません。これは、区分所有法の規定によるものです。
区分所有法では、管理規約の変更は、区分所有者の総会において、議決権の過半数(出席者の過半数かつ議決権の過半数)の賛成を得る必要があります。 最初の所有者が公正証書で規約を作成できるのは、建物が完成し、区分所有が開始される際に、その基礎となる規約を明確に定めるためです。 後継所有者は、既に存在する規約を前提として、その変更を総会で決定することになります。
「公正証書で作った規約は絶対的なもの」という誤解があります。公正証書は法的効力を高めますが、区分所有法に反する条項は無効です。また、総会での決議によって、公正証書で作成された規約でも変更可能です。
例えば、ペットの飼育を禁止する規約を変更したい場合、後継所有者はまず、区分所有者全員にその変更案を提示し、総会を開催する必要があります。総会で議決権の過半数の賛成を得られれば、規約は変更されます。この変更は、改めて公正証書を作成することで、その効力をより強固にすることができますが、必須ではありません。
管理規約の変更は、法律知識が必要となる複雑な手続きです。 規約に不明な点がある場合、または、変更手続きでトラブルが発生した場合には、弁護士や不動産専門家への相談が推奨されます。特に、区分所有者間で意見が対立する場合、専門家の介入によって円滑な解決を図ることができます。
* 最初の所有者のみが、建物の完成時に公正証書で管理規約を作成できます。
* 後継所有者は、総会での議決を経て管理規約を変更します。公正証書は必須ではありませんが、作成することで法的効力を高めることができます。
* 複雑な手続きやトラブル発生時は、専門家への相談が有効です。
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