• Q&A
  • 区分所有法:共用部分と専有部分の分離処分禁止の例外規定を徹底解説!管理業務主任者試験対策にも!

共有持分についてお困りですか?

おすすめ3社をチェック

区分所有法:共用部分と専有部分の分離処分禁止の例外規定を徹底解説!管理業務主任者試験対策にも!

【背景】
管理業務主任者試験の勉強をしています。共用部分と専有部分の分離処分禁止の原則について学習中です。

【悩み】
例外として、規約で決めれば①特定の区分所有者or管理者を共用部分の所有者とする場合、②規約の設定で共有持分割合を変更する場合、分離処分が可能とありますが、なぜこの2つだけが例外として認められているのかが理解できません。

区分所有法の趣旨に沿う変更であれば、例外的に分離処分が可能

1. 区分所有法と共用部分・専有部分の定義

区分所有法(区分所有建物の所有及び管理に関する法律)は、マンションなどの区分所有建物を円滑に管理運営するための法律です。建物は、個々の区分所有者(マンションの各部屋の所有者)が所有する「専有部分」と、全員で共有する「共用部分」(廊下、エレベーター、外壁など)に分けられます。

一般的に、共用部分は区分所有者全員の共有財産であり、個々の所有者の単独の意思では処分(売買、贈与など)できません。これは、共用部分の維持管理を円滑に行うため、また、建物の価値を維持するため、非常に重要な原則です。これを「共用部分の分離処分禁止の原則」と言います。

2. 分離処分禁止の例外:規約による変更

しかし、この原則にも例外があります。それが、質問にもあるように、区分所有者の全員の合意(規約で定める)によって、例外的に共用部分の分離処分を認めることができるケースです。

3. 例外規定の理由:①特定の区分所有者への所有権移転

最初の例外「特定の区分所有者or管理者を共用部分の所有者とする場合」は、例えば、共用部分の一部を特定の区分所有者(例えば、1階住人)に売却し、その部分を専有部分として利用させる場合を想定しています。

これは、建物の構造上、特定の区分所有者にとって特に重要な部分(例えば、庭の一部)であり、その利用権を明確にすることで、建物の維持管理や利用の効率化を図ることを目的としています。

4. 例外規定の理由:②共有持分割合の変更

2つ目の例外「規約の設定で共有持分割合を変更する場合」は、共用部分の持分(所有割合)を変更することで、建物の管理運営をより効率的に行うことを目的としています。

例えば、大規模修繕工事の費用負担割合を、専有部分の面積だけでなく、共用部分の使用状況なども考慮して変更したい場合などに利用されます。

5. 関係する法律・制度

関係する法律は、主に区分所有法です。特に、第12条(共有部分の管理)、第21条(規約の変更)などが重要になります。

6. 誤解されがちなポイント:規約の有効性

規約による変更は、区分所有者全員の同意が必要であり、その同意がなければ無効となります。また、規約の内容が、区分所有法の趣旨に反するものであれば、裁判で無効と判断される可能性があります。

7. 実務的なアドバイスと具体例

共用部分の分離処分は、非常に慎重な検討が必要です。専門家(弁護士、不動産鑑定士など)に相談し、法的な問題がないか、また、他の区分所有者との合意形成を図ることが重要です。

例えば、共用部分の一部を売却する場合、その売却価格の算定方法、売却後の管理方法などを明確に規約に定める必要があります。

8. 専門家に相談すべき場合

共用部分の分離処分は、法律的な知識や専門的な判断が必要なため、専門家に相談することを強くお勧めします。特に、複雑なケースや、他の区分所有者との合意形成が困難な場合は、専門家のアドバイスを受けることが不可欠です。

9. まとめ

共用部分の分離処分は原則禁止ですが、区分所有者全員の合意に基づく規約変更によって、例外的に認められる場合があります。その例外は、建物の維持管理や利用の効率化、共有持分割合の変更といった、区分所有法の趣旨に沿う合理的な理由がある場合に限られます。 専門家の助言を得ながら、慎重に進めることが重要です。

Editor's Picks

共有持分についてお困りですか?

おすすめ3社をチェック

pagetop