事故後の警察からの質問:事件にする、とは?
原付バイクでの事故、大変でしたね。事故を起こした場合、警察は必ず対応します。その中で「事件にするかどうか」という質問を受けることがあります。これは、警察が事故を刑事事件として扱うかどうかという意味合いを含んでいます。
具体的には、被害者が警察に「被害届」(ひがいとどけ)を提出するかどうかがポイントになります。被害届とは、犯罪の被害者が、被害の事実を警察に申告する書類のことです。この被害届が提出されると、警察は捜査を開始し、加害者を特定し、場合によっては逮捕や起訴(きそ:刑事裁判にかけること)といった手続きに進む可能性があります。
もし被害届が出されず、事件として扱われない場合、警察は民事的な(個々の当事者間の)問題として扱うことがあります。この場合、加害者は刑事罰を受ける可能性は低くなりますが、だからといって全く責任を問われないわけではありません。
今回のケースへの直接的な回答:事件にしないと罰則がない?
今回の質問に対する直接的な答えは、「事件にしない場合でも、加害者が必ずしも罰を免れるわけではない」ということです。事件にしない、つまり被害届を出さない場合でも、加害者が道路交通法などの法令に違反していれば、行政処分や刑事罰を受ける可能性があります。例えば、運転中に信号無視をしていた、速度超過をしていた、などの違反があれば、警察は捜査を行い、違反点数の付与や罰金刑を科すことがあります。
また、被害者が負傷した場合、加害者は民事上の責任を負うことになります。これは、損害賠償(そんがいばいしょう)をしなければならないということです。治療費や慰謝料(いしゃりょう:精神的な苦痛に対する賠償)などを加害者に請求することができます。
関係する法律や制度:道路交通法と刑事訴訟法
今回のケースで関係する主な法律は以下の通りです。
- 道路交通法:車両の運転に関するルールや、交通事故を起こした場合の対応について定めています。速度超過や信号無視など、運転に関する様々な違反行為を取り締まるための法律です。
- 刑事訴訟法:犯罪の捜査、起訴、裁判の手続きについて定めています。警察がどのように捜査を行い、検察官がどのように起訴するか、裁判所がどのように審理を行うか、といった流れを定めています。
これらの法律に基づいて、警察は事故の状況を調査し、加害者の違反行為の有無を判断します。違反があれば、違反点数の付与や罰金刑といった行政処分や刑事罰が科される可能性があります。
誤解されがちなポイント:被害届を出さないと加害者は無罪?
多くの人が誤解しがちな点として、「被害届を出さないと、加害者は無罪になる」というものがあります。これは正しくありません。被害届は、あくまで警察が事件として捜査を開始するための「きっかけ」に過ぎません。被害届が出されなくても、警察は加害者の違反行為を捜査し、違反があれば罰則を科すことができます。
また、被害届を出さない場合でも、加害者は民事上の責任を負う可能性があります。例えば、事故によって被害者が怪我をした場合、加害者は治療費や慰謝料を支払う必要があります。これは、被害届の有無とは関係なく発生する責任です。
実務的なアドバイス:今後の手続きと対応
事故後の手続きは、状況によって異なりますが、一般的には以下の流れで進みます。
- 警察への報告:事故発生後、まずは警察に報告し、現場検証に立ち会います。
- 加害者との連絡:加害者の連絡先を交換し、今後の対応について話し合います。
- 治療と通院:怪我をした場合は、病院で治療を受け、通院します。
- 保険会社への連絡:加入している保険会社に連絡し、保険の手続きを行います。
- 示談交渉:加害者または保険会社との間で、損害賠償について示談交渉を行います。
被害届を提出するかどうかは、被害者の判断に委ねられます。事件として捜査を進めてほしい場合は、被害届を提出します。事件にしたくない場合は、提出しないことも可能です。しかし、事件にしない場合でも、加害者の違反行為が明らかになった場合は、罰則が科される可能性があります。
示談交渉の際には、弁護士に相談することも有効です。弁護士は、法律の専門家として、適切な賠償額の算定や、交渉のサポートをしてくれます。
専門家に相談すべき場合:弁護士や行政書士の役割
以下のような場合は、専門家への相談を検討しましょう。
- 加害者との示談交渉が難航している場合:弁護士は、法的な知識と交渉力で、適切な解決をサポートしてくれます。
- 過失割合(かしつわりあい)について争いがある場合:弁護士は、事故状況を分析し、適切な過失割合を主張してくれます。
- 後遺障害(こういしょうがい)が残った場合:弁護士は、後遺障害の等級認定(とうきゅうにんてい)の手続きをサポートし、適切な賠償額を請求してくれます。
- 相手方との連絡がうまくいかない場合:弁護士は、窓口となり、円滑なコミュニケーションを促してくれます。
行政書士(ぎょうせいしょし)は、書類作成の専門家です。交通事故に関する書類作成や手続きをサポートしてくれます。
まとめ:今回の重要ポイントのおさらい
今回の原付バイク事故のケースでは、以下の点が重要です。
- 警察から「事件にするか」と聞かれた場合、それは被害届を提出するかどうかの意味合いがあります。
- 被害届を出さなくても、加害者が道路交通法などの法令に違反していれば、行政処分や刑事罰が科される可能性があります。
- 被害届を出さなくても、加害者は民事上の責任(損害賠償)を負う可能性があります。
- 示談交渉が難航する場合は、弁護士に相談することを検討しましょう。
事故に遭われた際は、ご自身の状況を冷静に判断し、必要に応じて専門家のアドバイスを受けながら、適切な対応をとることが大切です。

