- Q&A
収益物件の「表利回り」とは?建築計画における考え方を解説!

ご入力いただいた内容は「お問い合わせ内容」としてまとめて送信されます。
無理な営業や即決のご案内は行いません。
共有持分についてお困りですか?
おすすめ3社をチェック【背景】
【悩み】
表利回りは、投資判断の目安となる重要な指標です。建築費の総額で計算し、ローンの返済計画も考慮して総合的に判断しましょう。
不動産投資の世界では、様々な「利回り」という言葉が使われます。利回りとは、投資した金額に対して、どれだけの利益が得られるかを示す割合のことです。今回の質問にある「表利回り」は、数ある利回りの中でも、最も基本的な指標の一つです。
表利回り(グロス利回り)
表利回りは、年間家賃収入を物件の取得価格(建築費など)で割って計算します。つまり、物件から得られる収入の「表面的な」割合を示すものです。この計算には、物件の維持にかかる費用(固定資産税、修繕費、管理費など)や、ローンの返済額は含まれません。あくまでも、収入と物件価格の関係性をシンプルに示したものと理解しましょう。
計算式は以下の通りです。
例えば、年間家賃収入が600万円で、物件の取得価格が5000万円の場合、表利回りは12%となります。
なぜ表利回りが重要なのか?
表利回りは、他の物件と比較する際の分かりやすい指標となります。複数の物件を比較検討する際に、それぞれの物件がどれくらいの収益性を持っているのかを、比較的簡単に判断できます。また、金融機関から融資を受ける際の審査においても、重要な判断材料の一つとなります。
今回のケースでは、表利回りを計算する際に、建築費の総額(5400万円)を使用するのが適切です。なぜなら、建築費の総額は、物件を取得するために実際に必要となる費用の総額を表しているからです。建物だけでなく、電気設備や外構工事なども、物件の価値を高め、賃料収入を得るために不可欠な要素です。これらの費用を含めて、総合的に判断することが重要です。
計算式に当てはめると、
となります。この11.1%という数字を、他の物件と比較したり、ローンの金利と比較したりすることで、今回の計画の妥当性を判断することができます。
ただし、この表利回りだけを見て、計画の実行を判断するのは危険です。後述するような、他の要素も考慮する必要があります。
今回のケースで直接的に関係する法律や制度としては、以下のものが挙げられます。
1. 建築基準法
工場を建築する際には、建築基準法に適合した設計・施工が必須です。用途地域(用途地域とは、都市計画法に基づいて定められた、建物の用途や規模などを制限する地域のこと)によっては、建築できる建物の種類や高さ、建ぺい率(建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合のこと)、容積率(容積率とは、敷地面積に対する延べ床面積の割合のこと)などが制限されます。事前に、建築予定地の用途地域を確認し、建築可能な建物の条件を把握しておく必要があります。
2. 都市計画法
都市計画法は、都市の健全な発展を目的とした法律です。建築物の用途や規模だけでなく、周辺の環境への配慮も求められます。例えば、工場を建設する際には、騒音や振動、悪臭などについて、近隣住民への影響を考慮した対策が必要となる場合があります。
3. 固定資産税
不動産を所有すると、固定資産税が課税されます。固定資産税は、土地や建物の評価額に基づいて計算されます。工場の場合、一般的な住宅よりも固定資産税が高くなる傾向があります。固定資産税の負担についても、事前に把握しておく必要があります。
4. 借地借家法
賃貸借契約を結ぶ際には、借地借家法が適用されます。この法律は、借主の権利を保護する一方で、貸主の権利も規定しています。賃料の決定や更新、契約解除など、賃貸借に関する様々な事項について、法律上のルールが定められています。賃貸借契約を締結する際には、専門家(弁護士など)に相談し、適切な契約内容を確認することが重要です。
表利回りについて、誤解されがちなポイントを整理します。
1. 表利回りは、必ずしも「儲かる」ことを保証するものではない
表利回りは、あくまでも「表面的な」収益性を示す指標です。実際の利益を計算するには、物件の維持費やローンの返済額などを考慮する必要があります。高い表利回りであっても、空室率が高かったり、修繕費などの費用がかさんだりすれば、実際の利益は少なくなってしまう可能性があります。
2. 表利回りの数値だけを鵜呑みにしない
表利回りは、あくまでも比較検討の材料の一つです。物件の立地条件、周辺の賃貸需要、建物の状態、管理体制など、様々な要素を総合的に判断する必要があります。例えば、駅からの距離や周辺の交通アクセス、近隣の競合物件の状況なども、重要な判断材料となります。
3. ローン返済後の手残り(キャッシュフロー)を必ず確認する
不動産投資は、ローンの返済が伴うことが一般的です。ローンの返済額を考慮した上で、手元に残るお金(キャッシュフロー)がプラスになるかどうかを確認することが重要です。キャッシュフローがマイナスになる場合は、資金繰りが悪化し、投資が失敗するリスクが高まります。
今回のケースにおける、実務的なアドバイスをいくつかご紹介します。
1. 徹底的な市場調査
まず、近隣の工場賃貸市場について、徹底的な調査を行いましょう。賃料相場、空室率、入居者の属性、競合物件の状況などを詳細に把握することが重要です。周辺の不動産業者に相談したり、実際に近隣の工場を見学したりするのも有効です。
2. 資金計画の策定
次に、詳細な資金計画を策定しましょう。建築費、諸費用、ローンの借入額、金利、返済期間などを具体的に検討し、月々のキャッシュフローをシミュレーションします。万が一、空室が発生した場合や、修繕費が発生した場合など、様々なリスクを想定した上で、資金計画を立てることが重要です。
3. ローンの比較検討
複数の金融機関から融資の見積もりを取り、金利や融資条件を比較検討しましょう。金利だけでなく、保証料や事務手数料なども含めたトータルコストで比較することが重要です。また、融資を受ける際には、自己資金の割合を増やすことで、ローンのリスクを軽減することができます。
4. 専門家への相談
建築設計事務所、不動産鑑定士、税理士、弁護士など、様々な専門家に相談し、アドバイスを受けることをお勧めします。建築設計事務所には、建物の設計や法規制に関する相談ができます。不動産鑑定士には、物件の価値や適正賃料について相談できます。税理士には、税金対策について相談できます。弁護士には、賃貸借契約や法的な問題について相談できます。
5. 賃貸管理会社の選定
賃貸管理会社に管理を委託する場合は、信頼できる会社を選びましょう。管理会社の業務内容、管理手数料、入居者対応の質などを比較検討し、自分のニーズに合った会社を選びましょう。管理会社との連携は、安定的な賃貸経営を続ける上で非常に重要です。
具体例
例えば、年間家賃収入600万円、建築費5400万円の場合、表利回りは11.1%です。しかし、固定資産税が年間50万円、修繕費が年間10万円、管理費が年間10万円かかるとします。さらに、4000万円のローンを金利2%で借り入れた場合、年間返済額は約135万円となります。
この場合、
となります。この395万円が、今回の不動産投資で得られる実際の利益となります。この利益から、所得税や住民税などが差し引かれることになります。
今回のケースでは、以下の専門家への相談を検討することをお勧めします。
1. 建築士
建物の設計や建築に関する専門家です。建築基準法などの法規制に適合した設計が可能かどうか、建物の構造や耐久性、コストパフォーマンスなどを相談できます。
2. 不動産鑑定士
不動産の価値を専門的に評価する専門家です。土地の適正価格や、賃料相場の妥当性、将来的な不動産価値などを相談できます。
3. 税理士
税金に関する専門家です。不動産投資にかかる税金(所得税、固定資産税など)の計算や節税対策、確定申告などについて相談できます。
4. 弁護士
法律に関する専門家です。賃貸借契約書の作成や、入居者とのトラブル、法的問題などについて相談できます。
5. 土地家屋調査士
土地や建物の測量や登記に関する専門家です。土地の境界確定や、建物の表示登記などについて相談できます。
これらの専門家に相談することで、リスクを軽減し、より安全で確実な不動産投資を行うことができます。
今回の質問の重要ポイントをまとめます。
不動産投資は、大きな金額が動くため、慎重な判断が必要です。しっかりと情報収集し、リスクを理解した上で、計画を進めていきましょう。
共有持分についてお困りですか?
おすすめ3社をチェック