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収益物件購入も決済前に売主死亡…賃貸契約は可能?相続と物件利用の疑問を解決

質問の概要

【背景】

  • 収益物件(お金を生む目的で所有する不動産)の売買契約を締結しました。
  • 決済(売買代金の支払いと物件の引き渡し)前に、売主が亡くなりました。
  • 売主は外国籍で、相続人(亡くなった方の財産を受け継ぐ人)の一部が行方不明のため、相続手続きが難航しています。
  • 物件の鍵は既に受け取っています。

【悩み】

  • この物件を借りたいという人が現れましたが、賃貸契約を結ぶことは可能でしょうか?
  • 相続手続きが完了するまで、物件をどのように扱えば良いのかわかりません。

相続手続き未了の収益物件は、原則として賃貸契約不可。専門家への相談が重要です。

回答と解説

テーマの基礎知識:不動産売買と相続の基本

まず、今回のケースで重要となる、不動産売買と相続に関する基本的な知識を整理しましょう。

不動産の売買契約は、売主と買主の間で、不動産の所有権を移転させることを約束する契約です。契約が成立すると、売主は物件を引き渡す義務を負い、買主は代金を支払う義務を負います。しかし、今回のケースのように、決済前に売主が亡くなってしまうと、契約の履行(約束を守ること)が複雑になります。

相続とは、人が亡くなった際に、その人の財産(不動産、預貯金、株式など)を、相続人が引き継ぐ手続きのことです。相続人が複数いる場合は、遺産分割協議(誰がどの財産を受け継ぐかを決める話し合い)を行い、遺産を分けることになります。

今回のケースでは、売主が亡くなったことで、売買契約の履行が相続の問題と絡み合い、複雑な状況になっています。売主が外国籍であること、相続人の一部が行方不明であることも、手続きをさらに難しくする要因です。

今回のケースへの直接的な回答:賃貸契約は可能?

原則として、相続手続きが完了していない物件を賃貸することは、非常に難しいと言わざるを得ません。

なぜなら、物件の所有権が確定していないからです。賃貸契約を結ぶには、物件を貸す権利(所有権または使用権)を持っている必要があります。相続手続きが完了していないということは、誰が正式な所有者であるかが決まっていない状態です。この状況で賃貸契約を結ぶと、後々、相続人との間でトラブルが発生する可能性があります。

今回のケースでは、すでに鍵を受け取っているとのことですが、これはあくまで物件の使用を一部許可されたに過ぎず、賃貸契約を結ぶための十分な権利とは言えません。

ただし、例外的に、相続人全員の同意が得られれば、賃貸契約が可能になる場合もあります。しかし、行方不明の相続人がいる状況では、全員の同意を得ることは非常に困難です。

関係する法律や制度:相続に関する法律と注意点

今回のケースで関係する主な法律は、民法(相続法)です。民法では、相続人の範囲、遺産の分割方法、相続放棄など、相続に関する様々なルールが定められています。

特に重要なのは、以下の点です。

  • 相続人の確定: 誰が相続人になるのかを正確に特定する必要があります。戸籍謄本(個人の身分関係を証明する書類)を取り寄せ、相続関係図を作成して確認します。
  • 遺産分割協議: 相続人全員で、遺産の分け方を話し合います。話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てることもできます。
  • 遺言書の有無: 遺言書がある場合は、遺言書の内容に従って遺産を分割します。

外国籍の売主の場合、相続に関する法律は、その方の本国法(国籍のある国の法律)が適用される可能性があります。この点も、専門家への相談が必要となる理由です。

誤解されがちなポイントの整理:鍵を受け取っているから大丈夫?

今回のケースで、よく誤解されがちなポイントを整理しましょう。

・「鍵を受け取っている=自由に使える」という誤解

鍵を受け取っていることは、売買契約に基づき、物件の使用を一部許可されたに過ぎません。所有権が移転したわけではないので、自由に賃貸したり、改築したりすることはできません。

・「相続手続きはすぐに終わる」という誤解

相続手続きは、必要書類の収集、相続人の特定、遺産分割協議など、時間がかかる場合があります。今回のケースのように、相続人が行方不明の場合や、外国籍の相続人がいる場合は、さらに時間がかかる可能性があります。

・「誰かが勝手に賃貸しても問題ない」という誤解

相続手続きが完了していない物件を、勝手に賃貸すると、不法行為(法律に違反する行為)に問われる可能性があります。また、賃借人との間でトラブルが発生する可能性もあります。

実務的なアドバイスや具体例の紹介:状況に応じた対応策

今回のケースで、どのような対応を取るべきか、具体的なアドバイスをします。

1. 相続人との連絡: まずは、売主の相続人と連絡を取り、現状を説明し、今後の手続きについて相談しましょう。相続人全員の合意が得られれば、賃貸契約を締結できる可能性も出てきます。

2. 専門家への相談: 弁護士、司法書士、不動産鑑定士などの専門家に相談し、具体的なアドバイスを受けましょう。特に、相続問題に詳しい専門家を選ぶことが重要です。専門家は、相続手続きの進め方、賃貸契約の可否、その他法的リスクについて、的確なアドバイスをしてくれます。

3. 賃貸契約の可否: 相続人全員の合意が得られない場合、現時点での賃貸契約は避けるべきです。相続手続きが完了するまで、物件を空き家の状態で管理するか、一時的な利用方法(例:親族の一時的な利用)を検討しましょう。

4. 物件の管理: 物件の管理は、定期的な清掃、換気、メンテナンスなど、適切な方法で行いましょう。空き家管理サービスを利用することも検討できます。

5. 契約解除の可能性: 売買契約を解除することも、一つの選択肢です。売主の相続人と協議し、契約解除に関する条件(違約金など)を決めましょう。契約解除の場合、手付金(売買契約時に買主が売主に支払うお金)の返還や、損害賠償請求の可能性についても、専門家と相談する必要があります。

専門家に相談すべき場合とその理由

今回のケースでは、必ず専門家(弁護士、司法書士など)に相談することをおすすめします。

・相続手続きの複雑さ: 相続人が複数いる、外国籍の相続人がいる、行方不明の相続人がいるなど、相続手続きは非常に複雑になる可能性があります。専門家は、これらの問題を解決するためのノウハウを持っています。

・法的リスクの回避: 賃貸契約に関する法的リスク、相続に関する法的リスクを回避するためには、専門家の助言が不可欠です。

・交渉の代行: 相続人との交渉、売買契約の解除に関する交渉などを、専門家に代行してもらうことができます。

・適切なアドバイス: 専門家は、個々の状況に応じた最適なアドバイスをしてくれます。例えば、相続手続きの進め方、賃貸契約の可否、物件の管理方法などについて、具体的なアドバイスを受けることができます。

まとめ:今回の重要ポイントのおさらい

今回のケースの重要ポイントをまとめます。

  • 相続手続き未了の物件は、原則として賃貸不可。
  • 専門家(弁護士、司法書士)への相談が不可欠。 相続問題、法的リスク、契約解除など、多岐にわたる問題について、専門家のサポートが必要です。
  • 相続人との連絡と協議が重要。
  • 状況に応じた適切な対応策を検討する。 賃貸契約、物件の管理、契約解除など、様々な選択肢を検討し、専門家と相談しながら、最適な方法を選びましょう。

今回のケースは、非常に複雑な状況です。ご自身の判断だけで進めるのではなく、必ず専門家のアドバイスを受け、慎重に対応してください。

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