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土地の共有部分の瑕疵:不動産会社と建築会社への対応策と法的根拠

【背景】
* 不動産会社①から土地(2区画)の内1区画を購入しました。
* 別の建築会社②に一軒家を建築してもらいました。
* 隣接する区画との共有部分(インターロッキング舗装)に瑕疵(波打ち、縁石欠損)を発見しました。
* 共有地の造成は不動産会社①が行い、建築会社②は工事中、養生していました。

【悩み】
共有地の瑕疵について、不動産会社①に修理または費用負担を求めましたが、現状渡しを理由に拒否されました。 どのようにすれば、不動産会社①から修理費用を得られるか知りたいです。

契約書内容と瑕疵の程度によるが、交渉・内容証明郵便・訴訟も視野に。

回答と解説

テーマの基礎知識(定義や前提の説明)

このケースは、不動産売買契約と、共有部分(共有地)の瑕疵(かし:欠陥)に関する問題です。不動産売買契約とは、土地や建物を売買する契約のことです。 共有部分とは、複数の所有者が共同で使用する部分のことです。今回のケースでは、隣接する2区画の土地の間に存在するインターロッキング舗装された1m×4mの通路が共有部分となります。 瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)とは、売買契約において、売買された物件に欠陥があった場合、売主が買主に対して負う責任のことです。 民法では、売主は買主に対して、物件に瑕疵がないことを保証する義務を負っています。

今回のケースへの直接的な回答

不動産会社①は「現状渡し」を理由に修理を拒否していますが、現状渡しとは、物件の現状をそのまま引き渡すことを意味します。しかし、これは、明らかな瑕疵を隠蔽(いんぺい:隠すこと)して売買契約を締結した場合には適用されません。 共有地の状態が、契約締結時において既に瑕疵があったと判断されれば、不動産会社①は瑕疵担保責任を負う可能性があります。 まずは、不動産会社①との交渉を継続し、状況証拠(写真、動画など)を提示して、瑕疵の発生時期と原因を明らかにする必要があります。

関係する法律や制度

この問題には、民法の売買に関する規定(特に瑕疵担保責任に関する規定)が関係します。 具体的には、民法第570条以下の規定が該当します。 また、建築基準法や関連する条例も、共有部分の構造や安全性の基準を定めており、それらに違反している可能性も検討する必要があります。

誤解されがちなポイントの整理

「現状渡し」は、全ての瑕疵を免責するものではありません。 契約締結時に発見できなかった、隠れた瑕疵(潜在的瑕疵)については、売主の瑕疵担保責任が問われる可能性があります。 今回のケースでは、土の上にブロックを置いただけという施工状況は、容易に発見できる瑕疵とは言い難く、潜在的瑕疵に該当する可能性があります。 また、建築会社②が養生していた事実も、不動産会社①が瑕疵を認識していた可能性を示唆する証拠となり得ます。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

1. **証拠集め:** 共有地の状態を写真や動画で記録し、建築会社②からの養生に関する証言などを得てください。
2. **内容証明郵便:** 交渉がまとまらない場合は、内容証明郵便で改めて修理または費用負担を求めましょう。 内容証明郵便は、証拠として有効です。
3. **専門家への相談:** 弁護士や不動産鑑定士に相談し、法的措置(訴訟など)の可能性を検討しましょう。 専門家は、状況証拠を分析し、勝訴の見込みを判断できます。
4. **交渉のポイント:** 不動産会社①が隣接区画の売却を待っているのは、購入者との協議を理由に責任を回避しようとしている可能性があります。 しかし、共有部分の瑕疵は、既に存在する問題であり、隣接区画の売却を待つ必要はありません。

専門家に相談すべき場合とその理由

交渉が難航した場合、あるいは、不動産会社①が法的責任を明確に否定した場合には、弁護士や不動産鑑定士への相談が不可欠です。 専門家は、法律的な観点から状況を判断し、適切な対応策をアドバイスできます。 特に、訴訟に発展する可能性がある場合は、専門家の助言が非常に重要になります。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

「現状渡し」であっても、隠れた瑕疵については売主の瑕疵担保責任が問われます。 今回のケースでは、共有地の施工状況から、瑕疵が契約締結前から存在した可能性が高く、不動産会社①に修理または費用負担を求める法的根拠があります。 証拠集めを徹底し、交渉、内容証明郵便、そして必要であれば訴訟も視野に入れ、専門家の助言を得ながら対応しましょう。

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