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土地の登記簿の見方講座:所有者特定の疑問を徹底解説!株式会社と差押えの関係とは?

【背景】
ある土地の所有者を調べています。登記簿謄本(登記簿の写し)を取得したのですが、権利部の記載が難しくてよく分かりません。

【悩み】
登記簿の「権利部(甲区)」に「20 ㈱AAを除く共有者全員分持分移転 所有者㈱AA 21 差押 債権者BB市 22 21番差押登記抹消」と記載されています。この場合、土地の所有者は㈱AAなのでしょうか?それともBB市なのでしょうか? 登記簿の見方がよく分からず困っています。

所有者は㈱AAです。

回答と解説

土地登記簿の基礎知識

土地登記簿とは、土地の所有者や権利関係を記録した公的な書類です(登記簿謄本は、この登記簿の写し)。 登記簿は大きく分けて「権利部(甲区)」と「表示部(乙区)」に分けられます。 権利部には、土地の所有権や抵当権などの権利関係が、表示部には土地の所在地や面積などの物理的な情報が記載されています。 今回の質問は権利部に関するものです。

今回のケースへの直接的な回答

質問の登記簿記載「20 ㈱AAを除く共有者全員分持分移転 所有者㈱AA 21 差押 債権者BB市 22 21番差押登記抹消」について解説します。

まず、「20 ㈱AAを除く共有者全員分持分移転 所有者㈱AA」は、以前は複数の人が共有で所有していた土地を、㈱AAが他の共有者から権利を譲り受け、単独所有者になったことを意味します(持分移転とは、所有権の一部を移転すること)。 つまり、この時点で㈱AAが土地の所有者になっています。

次に「21 差押 債権者BB市」は、BB市が㈱AAに対して債権(お金を貸したなど)を有しており、その債権の担保として土地を差押えていることを示します(差押えとは、債務者が債権者に債務を履行しない場合に、債権者が債務者の財産を差し押さえる手続き)。 差押えがあっても、所有権自体は㈱AAが保持しています。

最後に「22 21番差押登記抹消」は、先の差押えが解除されたことを意味します。 BB市が債権を回収したか、何らかの理由で差押えの必要がなくなったということです。

これらのことから、最終的な所有者は㈱AAです。

関係する法律や制度

このケースは、民法(所有権、債権など)と不動産登記法(土地の登記に関する法律)に関係します。 特に、所有権の移転や差押えに関する規定が重要となります。

誤解されがちなポイントの整理

差押えがあると、所有権が移転したと誤解されることがあります。 しかし、差押えはあくまで債権回収のための担保措置であり、所有権の移転を意味するものではありません。 所有権は、登記簿に記載された所有者(このケースでは㈱AA)が保持しています。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

登記簿を見る際には、日付に注意することが重要です。 複数の登記がされている場合、それぞれの登記の日付を確認することで、権利関係の変遷を正確に把握できます。 今回の例でも、差押えの登記は所有権の移転の後に行われているため、所有権に影響を与えていません。

専門家に相談すべき場合とその理由

登記簿の記載が複雑で理解できない場合、または権利関係に係争(争い)がある場合は、司法書士や弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。 専門家は、登記簿の解釈や権利関係の整理を的確に行い、適切なアドバイスをしてくれます。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

* 登記簿は「権利部」と「表示部」に分かれている。
* 差押えは所有権の移転を意味しない。
* 所有権は登記簿に記載された所有者が保持する。
* 複雑な登記簿の場合は、専門家に相談することが重要。

今回のケースでは、差押えの登記はあったものの、最終的な所有者は㈱AAであると結論づけられます。 登記簿の読み解きは専門的な知識が必要なため、不明な点があれば専門家への相談を検討しましょう。

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