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土地の登記簿錯誤と遺産分割調停:180㎡と120㎡の食い違いを解決する方法
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相続人であるSは、登記簿どおりの120㎡で遺産分割の調停を申し立ててきました。しかし、私を含む他の相続人(T、U、V)は、正しい面積である180㎡で分割すべきだと考えています。登記の訂正をしてから遺産分割をするのが良いのか、それとも他に良い方法があるのか悩んでいます。
遺産分割とは、被相続人(亡くなった人)の財産を相続人(法律上の相続権を持つ人)で分ける手続きです。この際、相続財産を正確に把握することが非常に重要になります。 土地などの不動産は、登記簿(不動産登記簿)に記載された情報が、その所有権や面積などを証明する重要な証拠となります。しかし、今回のケースのように、登記簿に錯誤(間違い)がある場合もあります。
今回のケースでは、土地Aの面積について登記簿に錯誤があり、実際より小さい面積が記載されています。そのため、Sさんの申し立て通り120㎡で遺産分割を進めてしまうと、T、U、Vさんにとって不公平な結果となります。 公平な遺産分割を行うためには、まず土地Aの登記簿を訂正し、正しい面積(180㎡)を登記簿に反映させることが必要です。その上で、遺産分割調停を進めるべきです。
このケースに関係する法律は、主に民法(相続に関する規定)と不動産登記法です。民法は相続の原則や遺産分割の方法を規定しており、不動産登記法は不動産の登記に関する手続きを規定しています。 登記簿の訂正は、不動産登記法に基づいて行われます。具体的には、登記所に必要な書類を提出して、訂正の申請を行う必要があります。
誤解されやすいのは、「調停開始前に登記簿を訂正する必要がない」という点です。 調停手続きを進める上では、相続財産の範囲を明確にする必要があります。 面積の錯誤は、相続財産の範囲を不正確にしているため、まずこれを修正することが、公平かつ円滑な調停を進める上で重要です。
まず、土地家屋調査士(土地の測量や登記手続きに詳しい専門家)に依頼し、土地の正確な面積を測量してもらいましょう。 その結果に基づいて、登記簿の訂正手続きを行います。 訂正が完了した登記簿謄本を調停の際に提出することで、正しい面積に基づいた遺産分割を行うことができます。 この手続きには、ある程度の時間と費用がかかりますが、後々のトラブルを避けるためには不可欠です。
登記簿の訂正や遺産分割調停は、法律的な知識や手続きに精通している専門家の助けが必要な場合があります。 特に、土地の面積の錯誤が複雑な場合や、相続人同士で意見が対立している場合は、弁護士や司法書士に相談することをお勧めします。 専門家は、適切な手続きをアドバイスし、紛争解決をサポートしてくれます。
土地の登記簿に面積の錯誤がある場合、遺産分割調停の前に登記簿の訂正を行うことが、公平かつ円滑な遺産分割に不可欠です。 土地家屋調査士による測量、登記所の訂正手続き、そして弁護士や司法書士への相談を検討することで、トラブルを回避し、相続手続きを円満に進めることができます。 正確な情報に基づいた手続きを行うことが、相続問題における重要なポイントです。
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