土地分筆と測量の基礎知識

土地の分筆とは、一つの土地を二つ以上に分割することです。これは、土地を売買したり、相続で分けたりする際に必要になることがあります。分筆を行うためには、まず土地の境界線を確定する必要があります。この境界線を確定するために行われるのが「測量」です。

測量には様々な種類がありますが、土地の分筆に必要なのは、主に「現況測量」と「確定測量」です。

  • 現況測量:現在の土地の形状や建物の位置などを測るもの。
  • 確定測量:隣接する土地との境界線を確定し、その結果を記録するもの。分筆登記には、確定測量が必要になります。

測量を行うには、専門的な知識と技術が必要です。そのため、通常は土地家屋調査士(専門家)に依頼します。

今回のケースへの直接的な回答

今回のケースでは、昭和50年代に土地区画整理が行われた土地であり、測量図がないという状況です。土地区画整理が行われた土地の場合、区画整理前の地積測量図(土地の面積などを測った図面)が残っていないこともあります。

分筆を行うためには、改めて測量を行い、新しい測量図を作成する必要があります。この測量費用を誰が負担するかは、売買契約の内容によって決まります。

一般的には、売主が測量を行い、その費用を負担する場合と、買主が測量を行い、費用を負担する場合があります。どちらになるかは、売買契約書に明記されますので、契約前に必ず確認しましょう。

測量図がない場合でも、分筆自体は可能です。ただし、境界が曖昧な状態で分筆を行うと、後々隣接する土地所有者との間でトラブルになる可能性もゼロではありません。そのため、確定測量を行い、境界を明確にしておくことが推奨されます。

関係する法律と制度

土地の分筆や測量には、主に以下の法律や制度が関係します。

  • 不動産登記法:土地の登記に関する基本的な法律。分筆登記もこの法律に基づいて行われます。
  • 土地家屋調査士法:土地家屋調査士の資格や業務について定めた法律。測量は、土地家屋調査士の専門業務です。
  • 都市計画法:都市計画区域内での土地利用に関する規制を定めた法律。用途地域など、土地の利用制限に関係します。
  • 建築基準法:建物の建築に関する基準を定めた法律。建物を建てる際に、土地の形状や境界が関係することがあります。

また、土地区画整理事業が行われた土地については、土地区画整理法も関係してきます。土地区画整理事業は、土地の区画を整え、道路や公園などの公共施設を整備する事業です。土地区画整理が行われると、土地の形状や面積が変わることがあります。

誤解されがちなポイントの整理

測量に関する誤解として、よくあるのが以下の点です。

  • 市役所が測量図を保管しているという誤解:土地区画整理が行われた土地の場合、土地区画整理事業に関する図面は市役所に保管されている可能性がありますが、すべての土地の測量図が保管されているわけではありません。また、古い測量図は、現在の状況と異なっていることもあります。
  • 測量図がなくても分筆できないという誤解:測量図がなくても、改めて測量を行い、確定測量図を作成することで分筆は可能です。
  • 測量費用は必ず売主が負担するという誤解:測量費用を誰が負担するかは、売買契約の内容によります。

実務的なアドバイスと具体例

今回のケースで、実務的に行うべきことは以下の通りです。

  • 売買契約書の確認:売買契約書に、測量費用に関する取り決めが記載されているか確認しましょう。もし記載がない場合は、売主と協議して、どちらが費用を負担するかを決定する必要があります。
  • 土地家屋調査士への相談:土地家屋調査士に相談し、測量に関するアドバイスを受けましょう。土地の状況や過去の経緯を踏まえ、適切な測量方法や費用について教えてくれます。
  • 現地調査:土地の状況を実際に確認し、隣接する土地との境界を確認しましょう。場合によっては、隣接する土地所有者との立ち会いが必要になることもあります。
  • 市役所への確認:市役所(都市計画課など)に、土地区画整理事業に関する資料(土地区画整理図など)がないか確認してみましょう。これらの資料が、測量の参考になる場合があります。

具体例として、売買契約書に「測量費用は買主負担」と記載されていた場合、買主が土地家屋調査士に測量を依頼し、費用を支払うことになります。一方、「測量費用は売主負担」と記載されていた場合、売主が土地家屋調査士に測量を依頼し、費用を支払うことになります。

専門家に相談すべき場合とその理由

以下のような場合は、専門家(土地家屋調査士、弁護士など)に相談することをおすすめします。

  • 境界に関するトラブルが発生した場合:隣接する土地所有者との間で境界に関するトラブルが発生した場合は、専門家の助けを借りて解決を図る必要があります。
  • 売買契約の内容が不明確な場合:売買契約書の内容が不明確で、測量費用やその他の条件について疑問がある場合は、専門家に相談して、契約内容の確認やアドバイスを受けることが重要です。
  • 複雑な権利関係がある場合:土地に複雑な権利関係(抵当権、借地権など)がある場合は、専門家のアドバイスを受けながら、慎重に手続きを進める必要があります。

専門家は、法律や専門知識に基づいて、適切なアドバイスをしてくれます。また、専門家は、トラブルが発生した場合の解決をサポートしてくれます。

まとめ:今回の重要ポイントのおさらい

今回の質問の重要ポイントをまとめます。

  • 土地の分筆には測量が必要であり、測量費用は売買契約の内容によって決まります。
  • 昭和50年代に土地区画整理が行われた土地の場合、測量図がないこともあります。
  • 測量図がなくても、確定測量を行うことで分筆は可能です。
  • 市役所がすべての測量図を保管しているわけではありません。
  • 境界に関するトラブルや売買契約の内容が不明確な場合は、専門家に相談しましょう。

土地の分筆は、専門的な知識が必要となる場合があります。疑問点や不安な点があれば、専門家に相談し、適切なアドバイスを受けることが大切です。