土地売却と確定申告の基礎知識
土地を売却した際の確定申告は、多くの人にとって初めての経験かもしれません。まずは、基本的な知識から整理していきましょう。
確定申告とは、1年間の所得(収入から経費を差し引いたもの)を計算し、税務署に報告する手続きのことです。所得の種類によって、申告方法や税率が変わってきます。
土地の売却による所得は、譲渡所得(じょうとしょとく)に分類されます。譲渡所得は、土地や建物、株式などを売却したときに発生する所得のことです。今回のケースでは、事業用の土地を売却しているので、事業所得とは別に譲渡所得として申告する必要があります。
青色申告とは、所得税の計算において、一定の要件を満たした事業者が利用できる制度です。青色申告には、最大65万円の所得控除を受けられるなどのメリットがあります。今回の質問者様は青色申告を行っているとのことですので、土地売却の確定申告も青色申告で行うことになります。
土地売却では、売却金額から取得費(土地を購入したときの費用)や譲渡費用(仲介手数料など)を差し引いたものが譲渡所得となります。この譲渡所得に対して、所得税や住民税が課税されます。
今回のケースへの直接的な回答
質問者様の状況に合わせて、具体的な回答をしていきます。
① 最初の振替(仕訳)について
売買契約時に受け取った手付金(契約金)を、どのように会計処理すれば良いのかというご質問ですね。まず、手付金を受け取った時点での仕訳は以下のようになります。
- 借方(かりかた):普通預金(受け取った手付金の金額)
- 貸方(かしかた):未収入金(売買代金の一部として)
ここで、借方(かりかた)は、お金が入ってきた口座(普通預金)を指します。貸方(かしかた)は、お金を受け取る権利(未収入金)を表します。この未収入金は、最終的に土地の売買代金の一部となります。
その後、固定資産税や産業廃棄物処理代を口座から支払った場合は、以下の仕訳になります。
- 借方:租税公課(固定資産税の金額)/ 産業廃棄物処理費(産業廃棄物処理代の金額)
- 貸方:普通預金(支払った金額)
この仕訳は、費用が発生し、お金が口座から出ていったことを示しています。
土地の引き渡しが完了し、残りの売買代金を受け取った際には、未収入金を消し込み、売却益を計上する仕訳が必要になります。この仕訳は、確定申告の際にまとめて行うことができます。
② 確定申告について
確定申告は、通常通り青色申告で行うことができます。売却した土地に関する情報は、確定申告書の第二表(所得の内訳書)と、譲渡所得の内訳書(確定申告書B様式)に記載します。
用意する書類としては、
- 土地の売買契約書
- 土地の取得費を証明する書類(購入時の契約書など)
- 譲渡費用を証明する書類(仲介手数料の領収書など)
- 固定資産税の納税通知書
- 本人確認書類(マイナンバーカードなど)
などが必要になります。これらの書類を基に、譲渡所得を計算し、確定申告書に記載します。税務署のウェブサイトから確定申告書をダウンロードすることもできますし、税務署で入手することも可能です。
③ その他の手続きについて
今回のケースで、通常の青色申告以外に特別な手続きは基本的にありません。ただし、土地の売却によって多額の所得が発生する場合は、税理士に相談して節税対策を検討することも選択肢の一つです。
④ 残金の申告について
残金の入金が来年になる場合、その分の売却益は、来年の所得として再来年の確定申告で申告することになります。つまり、売買代金が確定した年(引き渡しがあった年)の所得として申告します。
⑤ 医療費などの支払いについて
家族の医療費や寺院代を土地売却代金から支払う場合、会計処理としては、
- 借方:事業主貸
- 貸方:普通預金
とすることができます。事業主貸は、事業主が個人的な用途にお金を使った場合に用いる勘定科目です。この場合、土地売却で得たお金を、家族の医療費などの個人的な費用に充てたということを意味します。

