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売買契約成立後、所有権移転前に売主・買主が死亡!民法と判例から徹底解説
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売買契約は成立していたものの、所有権移転登記が完了していません。 この場合、不動産の所有権は誰に属するのでしょうか? 民法のどの条文や判例が関係するのか知りたいです。 相続手続きを進める上で、重要な情報なので教えていただけると助かります。
不動産の売買契約は、売主が所有権を移転することを約束し、買主が代金を支払うことを約束する契約です。 しかし、この契約だけで所有権が移転するわけではありません。 所有権の移転は、所有権移転登記(登記簿に所有者を変更する手続き)によって完了します。 これは、不動産の取引において、登記簿が重要な法的証拠となるためです。 つまり、契約と登記は別物なのです。
売主が死亡した場合、その相続人が売主の権利義務を承継します(民法第97条)。 買主が死亡した場合も同様で、相続人が買主の権利義務を承継します。 そのため、売買契約は有効に存続し、相続人同士で所有権移転登記の手続きを進める必要があります。 ただし、所有権移転登記が完了するまでは、所有権は売主(もしくは相続人)に留まります。
このケースに直接的に関係する民法の条文は、主に以下の通りです。
* **民法第181条(売買の目的物の引渡し)**: 売主は、買主に対し、目的物の引渡しをしなければなりません。不動産の場合は、所有権移転登記が引渡しに相当します。
* **民法第97条(相続)**: 相続人は、被相続人の権利義務を承継します。 売主・買主双方が死亡した場合、それぞれの相続人がその権利義務を承継します。
判例としては、最判昭和40年12月18日判決が参考になります。この判決は、売買契約成立後、所有権移転登記前に売主が死亡した場合でも、売買契約は有効に存続し、相続人が契約を履行すべきであると判断しています。
「売買契約が成立すれば、所有権はすぐに移転する」と誤解している人がいます。 しかし、不動産の場合、所有権移転登記が完了するまで、所有権は移転しません。 契約と登記は別物であることを理解することが重要です。
相続人同士で所有権移転登記を進めるには、まず相続手続きを完了させる必要があります。 相続手続きが完了したら、相続人(新しい売主)と相続人(新しい買主)間で所有権移転登記の手続きを行います。 この手続きには、司法書士などの専門家の協力を得るのが一般的です。
例えば、Aさんが売主、Bさんが買主だったとします。Aさんが死亡し、相続人がCさん。Bさんも死亡し、相続人がDさんになった場合、CさんとDさんが所有権移転登記の手続きを行う必要があります。
相続手続きや所有権移転登記は、法律の知識が必要な複雑な手続きです。 相続人間でトラブルになったり、手続きに不備があったりすると、大きな損害を被る可能性があります。 そのため、特に相続に複雑な事情がある場合や、手続きに不安がある場合は、弁護士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。
不動産の売買では、契約と登記は別物です。 所有権移転登記が完了するまで、所有権は移転しません。 売主・買主双方が死亡した場合、相続人がそれぞれの権利義務を承継し、所有権移転登記の手続きを進める必要があります。 複雑な手続きなので、専門家の協力を得ることが重要です。 不明な点があれば、すぐに専門家に相談しましょう。
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