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夫の住民税滞納と自宅差し押さえの隠蔽…離婚事由となるか?共有名義不動産と夫婦間の信頼

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夫が共有名義の自宅が差し押さえられていることを1年以上隠していたこと、滞納額の少なさにも関わらず、完済しようとしないこと、その他にも隠していることがあるのではないかという疑いから、離婚の可能性も視野に入れたい。今回の件が離婚事由となるのか知りたい。
まず、共有名義の不動産について理解しましょう。共有名義とは、複数の所有者が一つの不動産を共有する所有形態です(例:夫と妻が50%ずつ所有)。この場合、債権者(税務署など)は、共有者のいずれに対しても債権を主張できます。夫の住民税滞納により、共有名義の自宅が差し押さえられたのは、このためです。差し押さえは、債務者が債務を履行しない場合、債権者が債務者の財産を差し押さえて債権を回収するための手段です(民事執行法)。
今回のケースでは、夫が住民税を滞納し、共有名義の自宅が差し押さえられたことを妻に隠していた点が問題です。これは、夫婦間の信頼関係を著しく損なう行為であり、離婚事由(民法770条)となり得ます。 離婚事由とは、離婚を認めるに足りる理由のことです。具体的には、不貞行為、悪意の遺棄、その他婚姻を継続しがたい重大な事由などがあります。今回のケースでは、「その他婚姻を継続しがたい重大な事由」に該当する可能性が高いでしょう。
* **民法770条**: 離婚事由に関する規定。
* **民事執行法**: 差し押さえに関する規定。
* **地方税法**: 住民税に関する規定。
滞納額が「さほど大金ではない」という点から、離婚事由にならないと考える方もいるかもしれません。しかし、問題の本質は滞納額の大小ではなく、夫が重大な事実を妻に隠蔽していた点にあります。 信頼関係の破綻こそが離婚事由となるのです。また、夫が「滞納に気づかなかった」「理解していなかった」と主張したとしても、社会人として当然の責任を怠っていたことは変わりません。
まずは、夫と冷静に話し合うことが重要です。滞納の経緯、隠していた理由、今後の対応について明確に話し合い、夫の反省の度合い、今後の生活設計について確認しましょう。話し合いがうまくいかない場合は、弁護士などの専門家に相談することをお勧めします。弁護士は、離婚協議や調停、裁判などの手続きをサポートしてくれます。
* 話し合いがまとまらない場合
* 離婚協議が難航する場合
* 財産分与や養育費などの問題が生じた場合
* 離婚後の生活設計に不安がある場合
弁護士に相談することで、法的観点からのアドバイスを受け、適切な対応を取ることができます。
夫の住民税滞納と差し押さえの隠蔽は、夫婦間の信頼関係を著しく損なう行為であり、離婚事由となり得ます。滞納額の大小ではなく、隠蔽行為そのものが問題です。話し合いがうまくいかない場合は、弁護士などの専門家に相談しましょう。早期の解決に向けて、適切な対応を取ることが重要です。 共有名義の不動産に関わる債務は、共有者全員に影響を与えることを理解しておきましょう。
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