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夫婦で所有するマンションを兄弟会社に売却した場合の相続・贈与税と債務承継に関する疑問

質問の概要

【背景】
* 夫婦二人暮らしで子供はいません。
* 結婚前に夫名義で購入し、結婚後に繰り上げ返済で完済したマンションがあります。
* マンションを夫の兄の会社に売却し、毎月5万円ずつ返済してもらう予定です。
* 借用書を作成する予定ですが、相続や贈与税、夫の権利などについて不安があります。

【悩み】
借用書に「私が死亡したときは残りの返済はせずに譲渡します」と記載しても良いのか、夫の死亡時に贈与税が発生するのか、夫の死亡後、兄の会社が債務を免除された場合に相続税が発生するのか、夫が兄に代金を請求できるのか、名義変更後の夫の権利、借用書を夫に見られたくない場合の対処法について知りたいです。

マンション売却後の債務免除は贈与とみなされ、税金が発生する可能性があります。

マンション売却と債務免除に関する基礎知識

まず、今回のケースは「売買契約」と「債務免除」という2つの法律行為が絡み合っています。マンションの売買は、売主(質問者ご夫婦)がマンションの所有権を買い主(ご夫兄の会社)に譲渡する契約です。 一方、残りの代金を分割で支払うという契約は、買い主が売主に対して借金を負う「借用契約」となります。

重要なのは、質問者様が亡くなられた後、残りの債務が免除されるという点です。これは、法律上「贈与」とみなされる可能性が高いです。贈与とは、無償で財産を移転することです。この場合、兄の会社は、マンションの残代金という「財産」を無償で免除されることになります。

今回のケースへの直接的な回答

質問者様の疑問点について、一つずつ解説します。

①「私が死亡したときは残りの返済はせずに譲渡します」という文言は、借用書に記載しても法的拘束力はありません。なぜなら、借用書は債務の発生と返済義務を定めるものであり、債務免除に関する条項は、別途契約書で明確に定める必要があるからです。

②質問者様が亡くなった場合、兄の会社は残債を免除されることになり、これは贈与とみなされます。そのため、兄の会社は贈与税を支払う必要があります。贈与税の税率は贈与額や受贈者との関係によって異なります。(※贈与税は、一定の親族間での贈与には非課税枠があります。ご兄弟間は非課税枠が適用されません。

③借用書があれば、ご主人には兄の会社にお金を請求する権利があります。ただし、借用書に「質問者様の死亡によって債務が免除される」旨の明確な記載がない限りです。

④名義が兄の会社に移っていれば、ご主人はマンションそのものに対しては権利を主張できません。しかし、残債の返済については、借用書に基づいて請求できます。

⑤借用書がご主人に見つからなくても、兄の会社がご主人にマンションの代金を支払っていないという事実があれば、ご主人は法律に基づいて請求できます。

⑥ご主人に借用書を渡したくない場合は、公正証書を作成することをお勧めします。公正証書であれば、その内容が確実に証拠として残ります。

関係する法律や制度

* **民法(売買契約、借用契約、贈与)**:マンション売買、借用、債務免除に関する基本的なルールを定めています。
* **相続税法**:相続が発生した場合の税金に関する法律です。今回のケースでは、債務免除が相続税の課税対象となる可能性があります。
* **贈与税法**:贈与が発生した場合の税金に関する法律です。兄の会社は、残債免除によって贈与税の納税義務が生じます。

誤解されがちなポイントの整理

「借用書に記載すれば有効」と安易に考えるのは危険です。債務免除は、贈与とみなされる可能性が高く、税金が発生します。法的効力のある契約を結ぶためには、専門家(弁護士など)に相談して、適切な契約書を作成することが重要です。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

ご夫婦で協議の上、公正証書を作成することを強くお勧めします。公正証書は、公証人が作成する証書であり、法的証拠力が高いです。公正証書に、売買契約の内容、債務の返済条件、そしてご質問者様の死亡後の債務免除に関する事項を明確に記載することで、後々のトラブルを防ぐことができます。

専門家に相談すべき場合とその理由

相続や贈与、売買契約など、法律的な知識が必要なケースです。専門家(弁護士、税理士)に相談することで、適切な契約書を作成し、税金対策なども含めた最適な解決策を見つけることができます。特に、高額な不動産取引であるため、専門家のアドバイスは不可欠です。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

* マンション売却後の債務免除は贈与とみなされ、贈与税が発生する可能性が高い。
* 借用書だけでは債務免除の法的効力は弱い。
* 公正証書を作成することで、法的証拠力が高まり、トラブルを回避できる。
* 高額な取引であるため、弁護士や税理士などの専門家に相談することが重要。

今回のケースは、法律的な知識が不足していると、思わぬ税金負担やトラブルにつながる可能性があります。専門家の力を借りながら、慎重に進めることを強く推奨します。

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