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夫婦共有不動産の売却:調停で解決できる?同意なき売却の可能性と注意点

【背景】
* 妻と共同名義で、誰も住んでいない不動産を所有しています。
* 私はその不動産を売却したいと考えていますが、妻が売却に同意してくれません。
* 妻と売却価格の取り分の合意ができません。

【悩み】
裁判所での調停によって、妻の同意を得ずに不動産を売却することはできるのでしょうか? どのような手続きが必要なのか、不安です。

はい、調停は可能です。家庭裁判所での不動産処分調停が有効です。

1. 夫婦共有不動産と共有物の処分

不動産を夫婦で共同名義(共有)で所有する場合、どちらか一方が単独で売却することはできません。これは民法(日本の法律)で定められている共有物の原則です。共有者は、お互いの同意を得なければ、共有物を処分(売却、賃貸など)できないのです。 今回のケースでは、ご主人と奥様は不動産の共有者であり、奥様の同意なしに売却することはできません。

2. 今回のケースへの直接的な回答:家庭裁判所での調停

奥様の同意が得られない場合、家庭裁判所(家庭裁判所は、民事事件のうち、主に家事事件を扱う裁判所です)に不動産処分調停を申し立てることができます。調停は、裁判官を仲介役として、ご主人と奥様の双方に話し合いの場を提供し、合意形成を促す手続きです。調停が成立すれば、その合意に基づいて不動産を売却できます。

3. 関係する法律:民法と家事事件手続法

このケースに関係する法律は、主に民法(共有に関する規定)と家事事件手続法(調停手続きに関する規定)です。民法は共有物の処分について、共有者の全員の同意が必要であると定めています。家事事件手続法は、調停の手続き、方法、効力などを規定しています。

4. 誤解されがちなポイント:調停の強制力

調停は、強制力のある裁判とは違います。調停はあくまで話し合いの場であり、合意が成立しなければ、不動産は売却できません。しかし、調停委員(裁判官や専門家)の助言や仲介により、合意に達する可能性が高まります。もし調停が不成立に終わったとしても、裁判(訴訟)を起こすことは可能です。

5. 実務的なアドバイス:調停の準備

調停を申し立てる前に、以下の準備をしておきましょう。

  • 不動産の評価額を明確にする:不動産鑑定士による評価書を取得すると、調停において有利に交渉を進めることができます。
  • 売却価格の希望額を明確にする:ご主人と奥様の希望額に大きな開きがある場合は、妥協点を見つける必要があります。
  • 調停に必要な書類を準備する:不動産登記簿謄本(所有権を証明する書類)、売買契約書(予定)など。
  • 弁護士への相談:複雑なケースや、調停が難航する可能性がある場合は、弁護士に相談することをお勧めします。

6. 専門家に相談すべき場合とその理由

調停は、法律の知識や交渉スキルが必要な手続きです。特に、ご夫婦間で感情的な対立がある場合や、不動産の価値に大きな相違がある場合は、弁護士などの専門家に相談することを強くお勧めします。専門家は、調停手続きを円滑に進めるためのアドバイスやサポートを提供してくれます。

7. まとめ:調停による解決の可能性と専門家への相談

夫婦共有の不動産売却において、一方の同意が得られない場合は、家庭裁判所での不動産処分調停が有効な手段です。しかし、調停は強制力のある手続きではないため、合意形成が不可欠です。スムーズな調停を進めるためには、不動産の評価、売却価格の希望額、必要な書類の準備、そして必要に応じて弁護士などの専門家への相談が重要です。 調停はあくまで解決策の一つであり、状況によっては裁判という選択肢も考慮する必要があることを理解しておきましょう。

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