• Q&A
  • 夫婦共有名義の住宅と離婚調停:夫の「特有財産」主張は通るのか?

共有持分についてお困りですか?

おすすめ3社をチェック

夫婦共有名義の住宅と離婚調停:夫の「特有財産」主張は通るのか?

【背景】
* 夫婦で住宅を共有名義(各々二分の一)で購入しました。
* 夫が昨年から別居しており、まもなく離婚調停が始まります。
* 住宅ローンはあと15年残っています。
* 別居の理由は、不動産価格上昇による売却に関する意見の相違です。
* 夫は、登記簿上は共有名義だが、資金調達は自身が行ったと主張し、住宅を自分の特有財産だと主張し始めました。
* 夫は会社の粉飾決算を利用し、私の収入を高く見せかけて住宅ローンを融資を受けていました。

【悩み】
夫の「特有財産」という主張は、裁判で認められるのでしょうか? 私の権利はどうなるのでしょうか?

夫の主張は、必ずしも認められません。詳細な事実関係の調査が必要です。

回答と解説

テーマの基礎知識(定義や前提の説明)

まず、重要な概念を理解しましょう。「共有名義」とは、不動産の所有権を複数人が共有することを指します。今回のケースでは、ご夫婦がそれぞれ二分の一ずつ所有権を持っています。「特有財産」とは、夫婦共有財産(結婚後夫婦で取得した財産)と区別される、個人の財産です。例えば、結婚前から持っていた財産や、相続で受け継いだ財産などが該当します。

離婚の際に、夫婦共有財産は原則として、公平に分割されます。しかし、特有財産は、原則としてその所有者のものになります。夫が「特有財産」と主張するには、住宅購入資金が完全に夫の特有財産から支出されたことを証明する必要があります。

今回のケースへの直接的な回答

夫の主張は、容易には認められない可能性が高いです。理由は、以下の通りです。

* **登記簿上の共有名義:** 登記簿上は共有名義であるため、夫が単独で所有権を主張するには、資金調達方法が完全に夫の特有財産によるものであることを明確に証明する必要があります。
* **粉飾決算による融資:** 粉飾決算によって融資を受けたという事実は、夫の主張に大きな影響を与えます。これは、不正行為に基づいて取得した財産である可能性があり、裁判所はこれを考慮するでしょう。
* **夫婦間の合意がないこと:** 住宅購入時に、夫が単独所有を主張するような合意はなかったと推測されます。

関係する法律や制度

このケースには、民法(特に夫婦共有財産に関する規定)と、場合によっては、刑事法(粉飾決算に関する規定)が関係します。離婚調停においては、裁判所は公平な財産分与を判断するために、証拠を精査します。

誤解されがちなポイントの整理

「資金調達を夫が行った」という事実だけでは、「特有財産」とはなりません。資金の出所が、夫の特有財産であることを明確に証明する必要があります。例えば、結婚前の貯蓄、相続による財産、などです。単に夫がローン手続きに関わったとしても、それが特有財産であることの証拠とはなりません。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

弁護士に相談し、証拠(銀行取引明細、ローン契約書、収入証明書など)を収集して、夫の主張を反論する準備をすることが重要です。 粉飾決算は重大な犯罪行為であるため、その証拠があれば、夫の主張を弱める大きな材料となります。

専門家に相談すべき場合とその理由

このケースは、法律の専門知識が必要な複雑な問題です。ご自身で解決しようとせず、速やかに弁護士に相談することを強くお勧めします。弁護士は、証拠の収集、法的な主張の構築、交渉、裁判対応などを支援します。特に、粉飾決算に関わる部分は、専門家のアドバイスが不可欠です。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

夫の「特有財産」主張は、登記簿上の共有名義、粉飾決算による融資という事実を踏まえると、容易には認められない可能性が高いです。 しかし、法的判断は、具体的な証拠によって大きく左右されます。弁護士に相談し、適切な対応を取ることで、ご自身の権利を守ることが重要です。 早めの行動が、有利な結果につながる可能性を高めます。

Editor's Picks

共有持分についてお困りですか?

おすすめ3社をチェック

pagetop