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夫婦名義の不動産登記簿、夫の一方的な再発行と融資は可能?【登記簿の保管とリスク解説】

【背景】
* 夫婦二人名義(夫9割、妻1割)で不動産を所有しています。
* 不動産登記簿は私が保管しています。
* 夫が私の承諾なく登記簿を再発行し、お金を借りることを心配しています。

【悩み】
夫は、私の承諾なしに不動産登記簿を再発行し、お金を借りることができるのでしょうか? 現在、私は何の印鑑も押していません。登記簿を勝手に持ち出されたり、利用されたりする可能性に不安を感じています。

夫の単独での再発行と融資は原則できません。ただし、状況によっては可能となるケースも。

回答と解説

1.不動産登記簿(登記済証)とは?

不動産登記簿(登記済証)とは、不動産の所有者や権利関係を公的に証明する書類です。(登記済証は、平成27年3月31日をもって廃止され、現在は登記事項証明書が交付されます。) 簡単に言うと、この土地や建物が誰のものかを示す重要な書類です。 登記簿には、所有者の氏名、住所、所有割合などが記載されており、不動産取引や相続など、様々な場面で必要になります。

2.今回のケースへの直接的な回答

原則として、夫はあなたの承諾なしに不動産登記簿を再発行したり、それを担保にお金を借りたりすることはできません。 なぜなら、不動産はあなたと夫の共同所有であり、所有権の行使には双方の合意が必要だからです。 登記簿の再発行には申請が必要ですが、その申請には所有者の署名・押印が必要となるからです。(所有権割合が9:1であっても、共同所有である以上、双方の合意が必須です。)

3.関係する法律や制度

この問題は、民法(共有に関する規定)と不動産登記法が関係します。民法では、共有物の管理には共有者の同意が必要とされています。不動産登記法では、登記の申請には権利者の署名・押印が必要とされています。

4.誤解されがちなポイントの整理

「夫が9割の所有者だからできる」という誤解がありますが、これは間違いです。たとえ所有割合が大きくても、共同所有である限り、相手方の同意なしに登記簿を再発行したり、融資を受けたりすることはできません。

5.実務的なアドバイスや具体例の紹介

* **登記簿の保管場所を安全にする:** 重要な書類なので、安全な場所に保管しましょう。金庫や耐火性の高いキャビネットなどがおすすめです。
* **夫との話し合い:** 不安な気持ちを夫に伝え、登記簿の保管方法や今後の不動産の管理について話し合うことが重要です。
* **合意書の作成:** 今後の不動産の管理方法や、売却・担保提供などの決定方法について、夫婦間で合意書を作成しておくことをお勧めします。これにより、トラブルを未然に防ぐことができます。
* **弁護士への相談:** 話し合いがうまくいかない場合や、法的措置を検討する必要がある場合は、弁護士に相談しましょう。

6.専門家に相談すべき場合とその理由

* 夫との話し合いがうまくいかない場合
* 夫が登記簿を不正に取得しようとしたり、不正な融資を試みていると疑われる場合
* 不動産の売却や相続などを検討している場合

弁護士や司法書士は、不動産に関する専門知識を持ち、適切なアドバイスや法的措置を支援してくれます。

7.まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

夫婦共有の不動産では、たとえ所有割合が大きくても、一方の意思だけで登記簿を再発行したり、融資を受けたりすることはできません。 安全な保管と、夫との話し合い、必要に応じて専門家への相談が重要です。 不安な場合は、すぐに専門家に相談することをお勧めします。 合意書を作成することで、将来的なトラブルを回避する効果も期待できます。

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