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夫婦間の住宅名義とローン返済分請求:別居後の財産分与と解決策

【背景】
* 17年前に夫名義で住宅を購入。頭金2000万円(妻の貯蓄1000万円+妻両親の貯蓄1000万円)、残りはローン。
* 妻は当初専業主婦だったが、後に正社員となり、ローンの返済額を増額し、約10年で完済。
* 妻はローン返済額の約1/3を負担。
* 完済後、夫は家計を妻に任せなくなり、生活費を支払わない期間が数年続いた。
* 夫は家事や子育てに協力せず、妻の病気(バセドウ病)にも無関心だった。
* 妻は昨年4月から別居。病気のため正社員継続が困難になり、ローン返済分を請求したが無視された。

【悩み】
夫名義の住宅に対し、私が支払ったローン返済分の清算をどうすれば良いのか。泣き寝入りすべきか、調停を申し立てるべきか、他に解決策はあるのか。

調停または弁護士相談が有効です。

テーマの基礎知識:夫婦間の財産分与

夫婦が離婚する場合、婚姻中に取得した財産は、原則として夫婦で折半(50%ずつ)します(民法760条)。ただし、これは「協力して取得した財産」が前提です。今回のケースでは、妻がローン返済に多額の負担をしたにもかかわらず、夫が家事や子育てに協力せず、生活費も負担しなかった点が問題となります。

今回のケースへの直接的な回答:妻の貢献を考慮した分与

妻は、夫名義の住宅のローン返済に多額の資金を負担しました。これは、単なる「援助」ではなく、住宅取得における「共同負担」と捉えることができます。夫が家事や子育てに協力せず、生活費も負担しなかった点を考慮すると、単純な折半は不公平です。妻は、夫に対して、ローン返済分相当額の返還を請求できます。

関係する法律や制度:民法と離婚調停

今回の問題は、民法(特に、財産分与に関する規定)に基づいて解決できます。調停は、裁判所を介して話し合いを行い、合意を目指す手続きです。調停が不調に終わった場合は、裁判による解決も考えられます。

誤解されがちなポイント:単純な折半の誤謬

「結婚後の財産は折半」という考え方は、あくまで「協力して取得した財産」を前提としています。今回のケースのように、一方的な負担があった場合は、単純な折半は不公平となります。妻の貢献度を考慮した上で、公正な分与を行う必要があります。

実務的なアドバイスと具体例:証拠の確保と専門家への相談

妻は、ローン返済額の証明(銀行の明細書など)、夫からの生活費未払いの証明(通帳など)をしっかりと確保する必要があります。これらの証拠は、調停や裁判において重要な役割を果たします。弁護士に相談し、適切な対応策を検討することを強くお勧めします。弁護士は、証拠の収集方法、調停・裁判への対応、請求額の算定など、様々な面でサポートしてくれます。

専門家に相談すべき場合とその理由:複雑な状況への対応

今回のケースは、単なる金銭の貸し借りではなく、夫婦間の財産分与という複雑な問題です。専門的な知識と経験を持つ弁護士に相談することで、より有利な解決策を得られる可能性が高まります。特に、調停や裁判に臨む場合は、弁護士のサポートが不可欠です。

まとめ:公正な解決に向けて

妻は、夫に対してローン返済分相当額の返還を請求できる可能性が高いです。しかし、スムーズな解決のためには、証拠の確保と弁護士への相談が重要です。泣き寝入りせず、自身の権利を守るために行動を起こすことをお勧めします。調停や裁判は、時間と費用がかかりますが、公正な解決を得るための有効な手段です。

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