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姉名義で購入した住宅ローンの債務不履行と、夫名義の住宅への影響:不動産と債権の関係を徹底解説

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8年前、姉名義で購入した住宅のローンが払えなくなってしまった場合、姉の現在の夫名義で建てた新築住宅が差し押さえられるのかどうか知りたいです。
まず、重要なのは「債権」と「担保」という概念を理解することです。 債権とは、お金を貸した側(債権者:この場合は金融機関)が、お金を借りた側(債務者:この場合はあなたの姉)にお金を返してもらう権利のことです。 担保とは、債務者が債権者に債務不履行(ローンを返済できないこと)になった場合、債権者が債務者の財産を差し押さえて債権を回収できる権利を確保するためのものです。 住宅ローンでは、住宅自体が担保として設定されるのが一般的です。
8年前、あなたの姉が借り入れた住宅ローンの担保は、姉名義で購入された最初の住宅です。 ローンの返済が滞った場合、金融機関は原則としてこの住宅を差し押さえ(競売にかけて売却)して債権を回収しようとします。 姉の現在の夫名義の住宅は、このローンとは全く別の契約によるものですから、差し押さえの対象にはなりません。 二つの住宅ローンは別個の契約であり、担保もそれぞれ別々です。
このケースは、日本の民法(特に担保に関する規定)が関わってきます。民法では、債権者(金融機関)は、債務者(あなたの姉)に対して、債務不履行の場合、担保として設定された財産(最初の住宅)を差し押さえる権利を有すると規定されています。しかし、担保として設定されていない財産(夫名義の住宅)には、原則として差し押さえ権は及ばないのです。
よくある誤解として、「姉が債務者であるから、姉の財産すべてが差し押さえられる」と考えてしまうことです。 しかし、差し押さえられるのは、ローン契約時に担保として設定された特定の財産のみです。 姉の夫名義の住宅は、姉の個人資産ではなく、夫の個人資産とみなされるため、このローンとは関係ありません。
もし、姉が8年前のローンの返済に困っている場合、金融機関と交渉して返済計画の変更(リスケジュール)や、任意売却(市場価格で売却し、売却代金でローンを返済する)などを検討する必要があります。 弁護士や司法書士などの専門家に相談することで、適切な解決策を見つけることができるでしょう。
姉がローンの返済に滞り、金融機関から督促を受けている場合、すぐに専門家(弁護士や司法書士)に相談することが重要です。 専門家は、法律に基づいた適切なアドバイスを行い、交渉や手続きをサポートしてくれます。 自己判断で対応すると、かえって事態を悪化させる可能性があります。
姉名義の住宅ローンと、姉の夫名義の住宅は別個の契約であり、担保も異なります。 ローンの返済が滞った場合、原則として姉名義の住宅だけが差し押さえの対象となります。 しかし、返済困難な状況に陥った場合は、専門家への相談が不可欠です。 早めの対応が、問題解決への近道となります。
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