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娘夫婦の離婚と親の援助:返還請求の可能性と財産分与のポイント

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娘婿に援助した1000万円と土地の提供は、娘と孫のためでした。離婚によって娘婿にその一部が渡ることに納得できません。援助分を考慮した財産分与をしたいと考えています。
夫婦が離婚する際、婚姻中に取得した財産を公平に分割するのが財産分与です(民法760条)。 これは、夫婦が協力して築き上げた財産を、離婚後もそれぞれの生活を支えるために分けるための制度です。 娘婿が家の評価額の半額を請求するのは、この財産分与に基づいています。 一方、親から娘夫婦への援助金は、通常は贈与(無償で財産を移転すること)とみなされます。 しかし、離婚に際して、親の援助が婚姻生活への貢献(寄与分)として認められる可能性もゼロではありません。
残念ながら、既に完済済みの住宅建設費用への援助金1000万円について、娘婿に対して返還請求するのは難しいでしょう。 なぜなら、援助は贈与として行われたと推測され、贈与には原則として返還請求権がありません。 土地の提供に関しても同様です。 ただし、後述するように、これらの援助が財産分与の際に考慮される可能性はあります。
このケースでは、民法(特に760条の財産分与に関する規定)と贈与に関する規定が関係します。 民法760条は、離婚の際に夫婦の共有財産を分割する規定ですが、その際に、各々の婚姻生活への貢献度(寄与分)も考慮されます。 贈与は、無償で財産を譲渡する行為で、贈与契約が成立していれば、原則として返還請求はできません。
援助金は贈与として扱われやすく、返還請求が難しい一方、婚姻生活への貢献(寄与分)は、財産分与において考慮される可能性があります。 援助金が「娘婿の生活を支えるため」ではなく、「娘夫婦の生活を支えるため」という目的で行われたと立証できれば、寄与分として認められる可能性が高まります。 しかし、立証が困難な点には注意が必要です。
裁判で援助金の寄与分を主張するには、援助金の目的や金額、支払時期などを明確に示す証拠が必要です。 例えば、援助金の領収書や、娘夫婦との間のやり取りを記録したメールや手紙などが証拠となります。 これらの証拠を準備することで、裁判において有利に事を運ぶ可能性が高まります。 また、弁護士に相談し、適切な証拠集めや主張方法についてアドバイスを受けることが重要です。
このケースは、法律的な知識が必要な複雑な問題です。 ご自身で判断するのではなく、弁護士などの専門家に相談することを強くお勧めします。 専門家は、状況を的確に判断し、最適な解決策を提案してくれます。 特に、証拠集めや裁判手続きなど、専門知識が必要な場面では、専門家の助けが不可欠です。
娘婿への援助金の返還請求は難しいですが、その援助が娘夫婦の婚姻生活への貢献として認められれば、財産分与において考慮される可能性があります。 そのため、弁護士などの専門家に相談し、証拠を揃え、寄与分を主張する戦略を立てることが重要です。 ご自身の権利を守るためにも、早めの相談をおすすめします。
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