婚約破棄と慰謝料請求の基礎知識

婚約破棄とは、将来結婚することを約束していた二人が、その約束を一方的に破棄することです。婚約は法律上の手続きを必要とせず、口約束でも成立することがあります。ただし、婚約が成立していたと認められるためには、客観的な証拠や状況が必要です。

慰謝料とは、精神的な苦痛に対して支払われる損害賠償のことです。婚約破棄の場合、破棄されたことによる精神的苦痛に対して慰謝料を請求することができます。慰謝料の金額は、破棄に至った原因や、破棄された側の精神的苦痛の程度、経済的な損害などを考慮して決定されます。

今回のケースへの直接的な回答

今回のケースでは、婚約していたと認められる可能性があり、慰謝料請求ができる可能性があります。

慰謝料請求が認められる可能性が高い理由

  • 結婚を前提とした同居を開始していたこと
  • 転居・転職、車の処分など、結婚に向けて具体的な準備をしていたこと
  • 彼が他の女性と交際していたこと(不貞行為)
  • 彼の言動が原因で、精神的な苦痛(けいれんやうつ病)を被ったこと

これらの事実から、彼の一方的な行動が婚約を破棄する原因となり、それによってあなたが精神的な苦痛を受けたとして、慰謝料を請求できる可能性があります。

関係する法律や制度

婚約破棄と慰謝料請求に関係する主な法律は、民法です。

民法における婚約

民法では、婚約について明文の規定はありません。しかし、判例(裁判所の過去の判決)などにより、婚約は契約の一種と解釈されています。婚約が成立すると、当事者は誠実に結婚に向けて努力する義務(信義則)を負います。

不法行為に基づく損害賠償請求

民法709条では、故意または過失によって他人の権利を侵害した者は、損害賠償責任を負うと規定されています。今回のケースでは、彼の不貞行為や、あなたを精神的に苦しめた言動が、不法行為にあたる可能性があります。

慰謝料請求の根拠

婚約破棄による慰謝料請求は、民法709条に基づき、不法行為による損害賠償請求として行われます。

誤解されがちなポイントの整理

婚約の成立条件

婚約は、必ずしも書面による契約や、結納などの儀式を必要としません。口約束だけでも、社会通念上、結婚の意思が明確に示されていれば、婚約が成立したと認められることがあります。

慰謝料の金額

慰謝料の金額は、一概に決まっているわけではありません。破棄された側の精神的苦痛の程度、破棄に至った原因、破棄された側の経済的な損害などを総合的に考慮して、裁判所が決定します。

不貞行為の定義

不貞行為とは、配偶者のある人が、配偶者以外の異性と自由な意思に基づいて性的な関係を持つことです。今回のケースでは、彼が他の女性と交際していたことが、不貞行為にあたる可能性があります。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

慰謝料請求の手順

  1. 証拠の収集: 婚約の成立を証明する証拠(例:結婚の準備に関するメール、一緒に住んでいた証拠、彼の不貞行為を裏付ける証拠など)や、精神的苦痛を証明する証拠(例:診断書、通院記録、けいれんやうつ病に関する医師の診断書など)を集めます。
  2. 内容証明郵便の送付: 弁護士に依頼して、彼に対して慰謝料を請求する内容証明郵便を送付します。内容証明郵便は、どのような内容の文書を、いつ誰に送ったかを公的に証明するものです。
  3. 交渉: 弁護士が代理人となり、彼または彼の代理人と慰謝料の金額や支払い方法について交渉します。
  4. 調停または裁判: 交渉がまとまらない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てたり、訴訟を起こしたりすることになります。

慰謝料の相場

慰謝料の金額は、個々のケースによって大きく異なりますが、一般的には数十万円から数百万円程度が相場とされています。彼の不貞行為の期間や頻度、あなたの精神的苦痛の程度、経済的な損害などを考慮して、金額が決定されます。

具体的な請求項目

  • 精神的苦痛に対する慰謝料
  • 転居費用、転職に伴う費用の損害
  • 治療費
  • 弁護士費用

専門家に相談すべき場合とその理由

今回のケースでは、弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士に相談するメリット

  • 法的アドバイス: 婚約破棄に関する法的知識や、慰謝料請求の手続きについて、専門的なアドバイスを受けることができます。
  • 証拠収集のサポート: 慰謝料請求に必要な証拠の収集方法について、アドバイスやサポートを受けることができます。
  • 交渉の代行: 弁護士が代理人として、相手方との交渉を代行してくれます。
  • 調停・訴訟の対応: 調停や訴訟になった場合、弁護士があなたの権利を守るために、法的な手続きを進めてくれます。
  • 精神的なサポート: 精神的な負担が大きい慰謝料請求の手続きにおいて、弁護士があなたの心の支えとなります。

弁護士は、あなたの状況に合わせて最適な解決策を提案し、あなたの権利を守るために尽力します。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

今回のケースでは、婚約破棄による慰謝料請求が可能な可能性があります。

・ 婚約が成立していたと認められる可能性が高い。
・ 彼の不貞行為、あなたの精神的苦痛、経済的損失を証明する証拠を集めましょう。
・ 弁護士に相談し、法的アドバイスを受け、慰謝料請求の手続きを進めましょう。

つらい状況ではありますが、諦めずに、専門家のサポートを受けながら、ご自身の権利を守ってください。