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宅建「代理権」の問題をわかりやすく解説!善意有過失の場合の売買契約の行方は?

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代理権のない契約は、原則無効です。しかし、相手方が代理権があると信じたことに落ち度がない場合は、例外的に有効となる可能性があります。
不動産取引において、契約当事者本人が直接現れず、代わりに他の人が契約を行うことがあります。これが「代理」という仕組みです。
代理権(だいりけん)とは、本人に代わって法律行為(契約など)を行う権限のことです。例えば、AさんがBさんの代理人として、Bさんの土地をCさんに売却する場合、AさんはBさんから代理権を与えられている必要があります。
しかし、代理権がないにも関わらず、あたかも代理権があるかのように振る舞う人がいます。このような場合、相手方を保護するための制度が民法に定められています。それが「表見代理(ひょうけんだいり)」です。
表見代理が成立するためには、いくつかの条件を満たす必要があります。その一つが、相手方(この場合はCさん)が、代理人に代理権があると「信じたこと」に落ち度がなかった、つまり「善意無過失(ぜんいむか しつ)」であることです。もし、相手方に少しでも注意していれば、代理権がないことに気づけたはずだ、という場合は、表見代理は成立しません。
今回のケースでは、AさんがBさんの代理人としてCさんに土地を売却しましたが、実際にはAさんに売却する代理権はありませんでした。
BさんがCさんに対し、Aさんが代理人であると表示していたため、CさんはAさんに代理権があると信じたかもしれません。しかし、Cさんは、Aさんに代理権がないことを「過失により知らなかった」という状況です。つまり、Cさんは「善意有過失」の状態です。
この場合、表見代理は成立しません。なぜなら、Cさんには注意義務を怠った「過失」があるからです。結果として、BさんとCさんの間の売買契約は、原則通り「無効」となります。
この問題で関係する主な法律は、民法です。特に、代理に関する規定(民法100条~118条)が重要です。
表見代理は、民法109条、110条、112条に規定されています。これらの条文は、代理権がないにもかかわらず、相手方を保護するために、一定の条件を満たせば、本人(この場合はBさん)が責任を負う可能性があることを定めています。
今回のケースでは、民法109条(無権代理行為における相手方の保護)が関係しています。109条は、代理人が代理権を有しない場合でも、本人が相手方に対して、代理権があると表示した場合には、相手方がその表示を信じたことについて過失がないときは、本人に責任を負わせるとしています。
この問題で多くの人が誤解しやすいのは、「当事者間に売買の意思があるのだから、契約は有効になるのではないか?」という点です。
確かに、BさんもCさんも売買を望んでいるかもしれません。しかし、法律は、代理権がないのに契約が行われた場合、相手方(Cさん)を保護するかどうかを、Cさんの「善意無過失」という状態に基づいて判断します。
今回のケースのように、Cさんに過失がある場合(善意有過失)、たとえ当事者間に売買の意思があったとしても、契約は無効になる可能性があります。これは、取引の安全を守るため、相手方の注意義務を重視しているからです。
また、BさんがCさんに対し、Aが代理人であると表示していたとしても、Cに過失があれば、Bは責任を負いません。これは、CがAに代理権があると信じたことに落ち度があるため、Bが保護されるべきではないからです。
不動産取引の実務では、代理人による契約の際には、特に以下の点に注意が必要です。
例えば、AさんがBさんの代理人としてCさんに土地を売却する場合、CさんはBさんに確認の電話をかけたり、Bさんの住所に手紙を送ったりするなど、Aさんに代理権があるかどうかを確認する努力をすべきです。もし、これらの努力を怠った場合、Cさんは「過失」があったと判断され、表見代理が成立しない可能性があります。
不動産取引は、高額な金銭が動くため、少しのミスが大きな損失につながる可能性があります。以下のような場合は、専門家である弁護士や司法書士に相談することをお勧めします。
専門家は、法律の専門知識と豊富な経験に基づき、的確なアドバイスをしてくれます。また、万が一トラブルが発生した場合でも、適切な法的手段を講じて、あなたの権利を守ってくれます。
今回の問題の重要ポイントをまとめます。
この解説を通じて、宅建の試験勉強だけでなく、実際の不動産取引においても、今回の問題が理解の一助となれば幸いです。
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