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宅建過去問解説:共有物件の売買と無断処分、相続との違いを徹底解説!
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過去問の問題では、共有者の1人が他の共有者2人に無断で自分の持分以上の物件を売却しても、売買契約自体は有効だとされていました。相続の場合、無断で自己の持ち分以上のものを売却すると無効になるという記述を読んだ記憶があり、共有と相続で扱いが違うのか分からず困っています。共有物件の売買について、正しい考え方を教えてください。
まず、共有(きょうゆう)とは、複数の者が一つの物を共同で所有する状態のことです。例えば、土地や建物を兄弟姉妹で共有している場合などが当てはまります。共有には、それぞれの共有者の持分(じぶん)が定められています。問題文にあるように、6:2:2の割合で共有されている場合、Aは全体の6/10、BとCはそれぞれ2/10の持分を所有しています。
問題のケースでは、AがBとCに無断で自分の持分(6/10)以上の建物をDに売却しました。この場合、民法上、Aは自分の持分(6/10)については有効に売却できます。しかし、BとCの持分(4/10)については、Aには売却権限がないため、「他人の権利の売買」(たにんのけんりのばいばい)となります。
他人の権利の売買とは、自分が所有権を持たない財産を売却することです。通常、無効な契約ですが、このケースでは、契約自体は有効とされています。ただし、BとCは、AとDの売買契約を理由に、Dに対して、自分の持分の返還や損害賠償を請求することができます。
この問題は、民法(みんぽう)(特に共有に関する規定)が関係します。民法では、共有物の管理(かんり)や処分(しょぶん)については、共有者の合意(がっせい)が必要とされています。しかし、今回のケースのように、一人の共有者が自分の持分を超えて売却した場合でも、契約自体が無効になるわけではありません。
よくある誤解として、「共有物件の売買には必ず全員の同意が必要」という点があります。これは、共有物件全体の処分(例えば、建物を解体して更地にするなど)には全員の同意が必要ですが、個々の共有者の自分の持分を売却することについては、必ずしも全員の同意は必要ありません。ただし、売買によって他の共有者の権利を侵害する場合は、侵害された共有者は法的措置をとることができます。
共有物件を売却する際には、他の共有者との合意を得ることが理想的です。合意が得られない場合でも、自分の持分のみを売却することは可能ですが、売買契約書には、売買対象が自分の持分のみであることを明確に記載する必要があります。また、売買後、他の共有者から権利侵害の訴訟(そしょう)を起こされる可能性も考慮し、弁護士などに相談することが重要です。
共有物件の売買は、法律的な知識が必要な複雑な問題です。他の共有者との関係が悪化したり、訴訟に発展する可能性もあります。そのため、売買を検討する際には、弁護士や司法書士などの専門家に相談することを強くお勧めします。
共有物件の売買は、自分の持分については有効に売却できますが、他の共有者の持分を売却することはできません。他の共有者の持分を売却した場合、他人の権利の売買となり、契約自体は有効でも、他の共有者から法的措置を請求される可能性があります。共有物件の売買は専門家のアドバイスを得ることが重要です。相続と共有は法律上の扱いが異なるため、混同しないように注意が必要です。
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