山奥の相続土地、境界不明で処分に困ってます！固定資産税だけ払うのはもう限界…どうすればいい？

山の中に先祖代々相続されてきた土地があります。字限図（じげんず）（※土地の境界を示した図面）には簡単に区切られているだけで、実際に現地へ行くとそこへ行く道もなく、境界線もさっぱりわかりません。微々たる金額ですが、固定資産税も払っています。公共施設を建てるため、行政がまとめて買い上げてくれればいいのですが、その予定もないようです。必要のないものですから、国庫に寄付でもしたいのですが、境界のわからないものはできないと言います。相続の時、放棄すればいいといいますが、この土地だけ放棄して、他を相続するわけにも行かないようです。処分の方法があるでしょうか？

境界確定後、売却または放棄を検討

山奥の相続土地の処分方法：境界不明確な土地の扱い方

１．問題の整理：境界不明確な土地の現状

まず、質問者様の抱える問題を整理しましょう。それは、山奥に位置し、境界が不明確な相続土地の処分方法です。固定資産税はかかりますが、アクセスも悪く、実益もありません。国庫への寄付や相続放棄も容易ではない状況です。

２．境界不明確な土地の処分：解決への第一歩

境界が不明確な土地を処分するには、まず境界を明確にする必要があります。これは、土地の所有権を確定させる上で非常に重要です。境界確定には、測量士（※土地の測量を行う国家資格者）に依頼し、現地調査に基づいた境界標（※土地の境界を示す標識）設置を行う必要があります。費用はかかりますが、土地の処分を進めるためには必須のステップです。

３．関係法規：土地に関する法律

土地に関する主な法律は、民法（※私人間の権利義務を定めた法律）と不動産登記法（※不動産の権利関係を登記簿に記録する法律）です。境界確定は、民法上の所有権の明確化に直結し、不動産登記法に基づいて登記簿に反映されます。境界に関する紛争が生じた場合は、裁判所の調停や訴訟を利用することも可能です。

４．よくある誤解：相続放棄と土地の処分

相続放棄は、相続開始を知った時から３ヶ月以内に家庭裁判所に申述しなければなりません。全ての相続財産を放棄する必要があるため、この土地だけを放棄することはできません。相続放棄は、相続が発生した時点での対応であり、既に相続した土地を処分する手段ではありません。

５．実務的なアドバイス：境界確定後の選択肢

境界が確定したら、土地の処分方法を検討できます。主な方法は以下の通りです。

* **売却:** 境界が明確になれば、不動産会社に仲介を依頼して売却できます。ただし、アクセスが悪いため、売却価格は低くなる可能性があります。
* **放棄:** 境界確定後、改めて放棄を検討できます。ただし、固定資産税の滞納などがないか確認する必要があります。所有権を放棄する意思表示を明確に行う必要があります。
* **国庫への寄付:** これも境界が明確になって初めて可能になります。国土交通省など、該当する行政機関に相談する必要があります。

６．専門家への相談：必要性とタイミング

境界確定や土地の処分には、測量士、不動産会社、弁護士などの専門家の協力を得ることが重要です。特に境界確定には測量士の専門知識が不可欠です。また、売買契約や相続放棄に関する法律的な問題が生じる可能性もあるため、弁護士への相談も検討しましょう。

７．まとめ：一歩ずつ確実に進める

境界不明確な土地の処分は、簡単ではありません。しかし、焦らず、段階的に解決を進めることが重要です。まず境界を確定し、その後、売却、放棄、国庫への寄付など、状況に合わせて最適な方法を選択しましょう。専門家の力を借りながら、確実に手続きを進めていくことが成功の鍵となります。