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市街化調整区域の土地購入と農地転用:新築住宅建築までのステップ

【背景】
* 市街化調整区域(都市計画法で定められた区域。原則として宅地化が制限されている)の土地を購入予定です。
* 土地は2筆あり、1筆は約530㎡(地目:宅地、現況:畑)、もう1筆は約85㎡(地目・現況:宅地)です。
* 土地所有者は他府県在住で、土地の状況に詳しくありません。
* 約45年前には家が建っていましたが、現在は更地(畑)です。
* 公図はありますが、地積測量図はありません。
* 隣地との間で水路を造る際に土地交換が行われ、公図と現況に相違があります。
* 司法書士には依頼済みで、不動産業者には仲介を依頼していません。

【悩み】
司法書士から、現況が畑のためすぐに建築できず、農地転用許可が必要と言われました。しかし、転用面積は500㎡以下と記載があり、建築許可も必要で、何から始めれば良いかわかりません。農家住宅を建築したいと考えており、会社から証明書を発行してもらえます。予算も限られているため、自分たちでできることは自分で進めたいです。建築までの手順と必要な手続きを教えてください。

農地転用許可申請、地積測量、建築確認申請など、複数の手続きが必要です。

1. 市街化調整区域と農地転用の基礎知識

まず、重要な用語を理解しましょう。「市街化調整区域」とは、都市計画法で定められた区域で、原則として住宅などの建築が制限されているエリアです。開発を抑制し、緑地や農地などを保全する目的があります。今回、購入予定の土地が市街化調整区域であるため、住宅を建築するには「農地転用許可」が必要になります。

農地転用とは、農地を宅地など他の用途に転用することです。農地法によって厳しく規制されており、許可を得るには一定の要件を満たす必要があります。許可を得るためには、農地転用許可申請書を提出する必要があります。

2. 今回のケースにおける具体的な手順

今回のケースでは、以下の手順で進める必要があります。

  • ステップ1:地積測量の実施:まず、正確な土地の面積を測量する必要があります。公図と現況に相違があるため、地積測量士(土地の面積を測量する専門家)に依頼して地積測量図を作成してもらいましょう。これは、農地転用許可申請や建築確認申請に必要な書類です。
  • ステップ2:農地転用許可申請:地積測量図が完成したら、農地転用許可申請を行います。申請先は、土地所在地を管轄する市町村の農業委員会です。申請にあたっては、申請書、地積測量図、所有権を証明する書類、そしてご自身の農業従事証明書などが必要になります。500㎡以下の転用であっても、許可が必要です。農家住宅を建築する旨を明確に記載しましょう。
  • ステップ3:建築確認申請:農地転用許可が下りたら、建築確認申請を行います。これは、建築基準法に基づいて、建築物の構造や安全性が確保されているかを確認してもらう手続きです。申請先は、土地所在地を管轄する市町村の建築確認担当部署です。建築設計図書などが必要になります。
  • ステップ4:建築工事:建築確認が下りたら、いよいよ建築工事です。建築業者との契約をしっかり行い、工事の進捗状況などを確認しながら進めていきましょう。

3. 関係する法律・制度

今回のケースでは、以下の法律・制度が関係します。

* **都市計画法**: 市街化調整区域の指定に関する法律です。
* **農地法**: 農地の転用に関する法律です。
* **建築基準法**: 建築物の構造や安全基準に関する法律です。

4. 誤解されがちなポイント

「500㎡以下の農地転用は簡単に許可が下りる」という誤解があります。面積に関わらず、農地転用の許可には一定の要件を満たす必要があります。また、農家住宅であっても、必ず許可が下りるとは限りません。農業委員会の判断によって許可が下りない場合もあります。

5. 実務的なアドバイスと具体例

農地転用許可申請は、書類の準備や手続きが複雑です。司法書士の先生に相談しながら進めることをお勧めします。また、農業委員会に事前に相談し、必要な書類や手続きについて確認しておくとスムーズに進められます。

6. 専門家に相談すべき場合とその理由

農地転用や建築に関する手続きは複雑で、専門知識が必要です。手続きに不安がある場合、または許可が下りない場合などは、弁護士や土地家屋調査士(土地の境界や面積に関する専門家)などに相談することをお勧めします。

7. まとめ

市街化調整区域で住宅を建築するには、農地転用許可、地積測量、建築確認申請など、複数の複雑な手続きが必要です。それぞれの段階で必要な書類や手続きを正確に理解し、必要に応じて専門家の力を借りながら進めることが重要です。予算が限られている場合でも、専門家への相談は、後々のトラブルを防ぐために有効な投資となります。焦らず、一つずつ確実に手続きを進めていきましょう。

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