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市道認定とアスファルト敷設の誤りと撤去訴訟:当事者訴訟か民事訴訟か?

質問の概要

【背景】

  • 市が誤って、個人の所有地を市道として認定し、道路として使用し始めました。
  • 市は、その土地にアスファルトを敷設しました。
  • その後、市は誤りを認め、市道の認定と供用開始(道路として使うこと)の処分を取り消しました。

【悩み】

  • 市がアスファルトを撤去しない場合、その撤去を求める訴えは、どのような種類の訴訟になるのでしょうか?
  • 当事者訴訟(行政事件訴訟の一種)になるのでしょうか、それとも民事訴訟になるのでしょうか?

アスファルト撤去を求める訴訟は、原則として民事訴訟になる可能性が高いです。

1. テーマの基礎知識:行政事件と民事事件の違い

まず、今回のテーマである「行政事件」と「民事事件」の違いについて理解を深めましょう。

行政事件(ぎょうせいじけん)は、行政機関(国や地方公共団体)の行為によって、国民の権利や利益が侵害された場合に、その違法性を争うための訴訟です。
行政事件訴訟には、主に以下の種類があります。

  • 抗告訴訟(こうこくそしょう):行政庁の処分(決定)の違法性を争う訴訟。今回のケースでいうと、市道の認定や供用開始の取り消し処分に対する訴えなど。
  • 当事者訴訟(とうじしゃそしょう):行政庁を当事者の一方とする訴訟で、法律上の権利関係(金銭の支払いなど)を直接争うもの。
  • 民衆訴訟(みんしゅうそしょう):特定の個人の権利救済を目的とせず、行政の違法行為の是正を求める訴訟。
  • 機関訴訟(きかんそしょう):国の機関や地方公共団体の機関相互間の権限争いに関する訴訟。

一方、民事事件は、私人間の権利関係(金銭の貸し借り、土地の所有権など)に関する紛争を解決するための訴訟です。

今回のケースでは、市が誤って私人の土地を市道として扱い、アスファルトを敷設したことが問題となっています。
この問題は、土地の所有権や損害賠償(アスファルト撤去費用など)といった、私人間の権利関係に関わる側面が強いと考えられます。

2. 今回のケースへの直接的な回答:アスファルト撤去を求める訴え

今回のケースで、アスファルトの撤去を求める訴えが、当事者訴訟になるか民事訴訟になるかという問題について考えてみましょう。

市が市道の認定と供用開始を取り消したという状況を踏まえると、アスファルトの撤去を求める訴えは、基本的には民事訴訟になる可能性が高いと考えられます。

その理由は、アスファルトの撤去は、土地所有者の所有権に基づき、不法占拠された土地からの返還を求める「所有権に基づく妨害排除請求」という民事上の請求権を行使することになるからです。

当事者訴訟となるのは、法律で特別に定められている場合に限られます。
今回のケースでは、アスファルトの撤去を求めることについて、当事者訴訟を認めるような特別な法律上の根拠は見当たりません。

3. 関係する法律や制度:行政事件訴訟法と民法

今回のケースに関係する主な法律は、以下の通りです。

  • 行政事件訴訟法:行政事件に関する訴訟手続きを定めた法律です。抗告訴訟や当事者訴訟など、様々な種類の行政訴訟について規定しています。
  • 民法:私人間の権利関係を定めた法律です。所有権、不法行為、契約などに関する規定があり、今回のケースでは、土地所有権や不法行為に基づく損害賠償請求などが問題となります。

今回のケースでは、行政事件訴訟法と民法の両方の知識が必要となります。
市道の認定や供用開始の取り消しについては行政事件訴訟法の知識が、アスファルトの撤去や損害賠償請求については民法の知識が重要となります。

4. 誤解されがちなポイントの整理:当事者訴訟と民事訴訟の区別

当事者訴訟と民事訴訟は、どちらも「訴訟」という形式を取りますが、その性格と目的が異なります。

当事者訴訟は、行政事件訴訟の一種であり、行政庁を一方の当事者として、法律上の権利関係(金銭の支払いなど)を争うものです。
例えば、公務員の給与に関する訴訟などが該当します。

一方、民事訴訟は、私人間の権利関係を争うもので、土地の所有権や金銭の貸し借りなど、幅広い分野の紛争を扱います。

今回のケースでは、アスファルトの撤去を求めることは、土地所有権に基づく権利行使であり、私人間の権利関係に関する問題であるため、民事訴訟になる可能性が高いのです。

5. 実務的なアドバイスや具体例の紹介:訴訟提起の流れ

実際にアスファルトの撤去を求める訴訟を起こす場合の流れについて説明します。

  1. 弁護士への相談:まずは、弁護士に相談し、法的アドバイスを受けることが重要です。専門家である弁護士は、訴訟の見通しや必要な手続きについて助言してくれます。
  2. 証拠の収集:土地の登記簿謄本、市の決定に関する書類、アスファルト敷設に関する写真など、訴訟に必要な証拠を収集します。
  3. 内容証明郵便の送付:市に対して、アスファルトの撤去を求める内容証明郵便を送付します。これは、相手方に意思を伝え、証拠としても残る重要な手続きです。
  4. 訴状の作成と提出:弁護士と相談しながら、訴状を作成し、裁判所に提出します。訴状には、請求の内容、理由、証拠などを記載します。
  5. 訴訟手続きの進行:裁判所は、訴状を受け取ると、市に訴状を送達し、答弁書の提出を求めます。その後、口頭弁論や証拠調べなどの手続きが行われます。
  6. 判決:裁判所は、審理の結果に基づいて判決を下します。判決の内容によっては、控訴(上級裁判所への不服申し立て)することも可能です。

この流れはあくまで一般的なものであり、具体的な手続きは、個々のケースによって異なります。

6. 専門家に相談すべき場合とその理由:弁護士の役割

今回のケースでは、弁護士に相談することが非常に重要です。その理由は以下の通りです。

  • 法的知識:弁護士は、法律に関する専門的な知識を持っています。今回のケースのように、行政事件と民事事件が複雑に絡み合う問題では、適切な法的判断が必要です。
  • 手続きの代行:訴訟手続きは複雑であり、専門的な知識と経験が必要です。弁護士は、訴状の作成や証拠の収集など、訴訟手続きを代行してくれます。
  • 交渉:弁護士は、市との交渉を代行し、円満な解決を目指すことができます。
  • 権利の保護:弁護士は、あなたの権利を最大限に保護するために、訴訟を有利に進めるための戦略を立てます。

弁護士に相談することで、法的リスクを軽減し、適切な解決策を見つけることができます。

7. まとめ:今回の重要ポイントのおさらい

今回のケースでは、市が誤って私人の土地を市道として扱い、アスファルトを敷設したという状況において、アスファルトの撤去を求める訴えは、原則として民事訴訟になる可能性が高いです。

主な理由は、アスファルトの撤去が、土地所有権に基づく「所有権に基づく妨害排除請求」という民事上の請求権を行使することになるからです。

今回の問題を解決するためには、弁護士に相談し、適切な法的アドバイスを受けることが重要です。

専門家の助けを借りることで、あなたの権利を適切に保護し、円満な解決を目指すことができるでしょう。

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