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平成23年度司法書士試験問題解説:共同抵当権と代位取得のからくり

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問題文の事例において、なぜ次順位抵当権者Fが、Cの乙土地に対する抵当権を代位取得できるのか理解できません。Bが弁済による代位でCの抵当権を取得し、それをFが物上代位で取得する流れではないのでしょうか?そうだとしたら、解答は×になると思うのですが…。
まず、抵当権(Mortgage)とは、債務者が債権者に債務を履行しなかった場合に、特定の不動産(抵当不動産)を強制的に売却して債権を回収できる権利のことです。複数の債権者が同じ不動産に抵当権を設定する場合、順位が定められます。先に設定された抵当権が優先的に弁済を受けます。
次に、代位弁済(Subrogation)とは、債務者が債務を履行しない場合、債権者以外の第三者(例えば、連帯保証人や他の債権者)が債務を代わりに弁済することです。代位弁済を行った者は、弁済した債権者の権利を承継します。民法第402条に規定されています。
今回のケースでは、共同抵当権と、それに続く次順位抵当権、そして代位弁済が絡み合っています。
問題文の事例では、Cが甲土地の抵当権を実行して債権全額を弁済を受けたとします。すると、Cの乙土地に対する抵当権は残ります。この残った抵当権を、Fが代位取得できるというのが正解です。これは、民法第392条第2項に基づく代位です。
Fは、甲土地の競売でCが全額弁済を受けた後、甲土地と乙土地が同時に競売された場合に、Cが乙土地から得られるはずだった弁済額を限度として、Cの乙土地に対する抵当権を代位取得できます。
* **民法第392条第2項**: これは、複数の債権者が同じ債務を担保する抵当権(共同抵当権)を設定している場合、ある債権者が抵当物の一部を競売して債権を回収したとき、他の債権者は、回収された金額を差し引いた残りの債権を回収するために、残りの抵当物に対する抵当権を代位取得できるという規定です。
* **不動産登記法**: 代位取得した抵当権は、登記によってその効力が生じます。
誤解しやすい点は、B(第三取得者)が関与している点です。しかし、Bの行為は、Fの代位取得には直接影響しません。Fの代位取得は、CとFの債権関係、そして共同抵当権の性質に基づいています。Bは甲土地の所有者であり、Cの抵当権の実行によって影響を受けるものの、Fの代位取得に直接関与する主体ではありません。
例えば、AがCとFにそれぞれ100万円の債務があり、甲土地と乙土地に共同抵当権が設定されているとします。Cが甲土地を競売して150万円を得た場合、残りの50万円は乙土地から回収する権利があります。この50万円の回収権を、Fは代位取得できるのです。
不動産に関する法律は複雑で、個々のケースによって解釈が異なる可能性があります。特に、複数の抵当権が設定されている複雑なケースでは、司法書士や弁護士などの専門家に相談することが重要です。誤った判断によって、大きな損失を被る可能性があるためです。
今回の問題は、共同抵当権と民法第392条第2項に基づく代位取得の理解がポイントでした。Bの存在は問題の複雑さを増すように見えますが、Fの代位取得には直接影響しません。重要なのは、Cが甲土地で債権を回収した後、残りの債権を回収する権利(乙土地に対する抵当権)をFが代位取得できる点です。この問題は、不動産登記法と民法の知識を総合的に問う、高度な問題と言えるでしょう。
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