店舗購入、自営業者が知っておくべきこと
店舗を購入することは、自営業者にとって大きな決断です。
夢の実現に向けた第一歩となる一方で、資金繰りや将来のリスクなど、考慮すべき点も多くあります。
今回のケースでは、頭金をほぼ使い切って店舗を購入することのメリットとデメリット、そして、それを踏まえた上でどのように判断していくべきか、詳しく解説していきます。
今回のケースへの直接的な回答
今回のケースでは、頭金をほぼ使い切って店舗を購入することには、慎重な検討が必要です。
400万円の頭金は、店舗購入の資金としては心強いですが、その後の運転資金を圧迫する可能性があります。
自営業の場合、店舗の購入費用だけでなく、内装費、設備費、運転資金など、様々な費用がかかります。
資金計画をしっかりと立て、将来的なリスクも考慮した上で、購入の決断をする必要があります。
夫の夢を応援する気持ちは大切ですが、現実的な問題も無視できません。
関係する法律や制度
店舗購入に関連する法律や制度は多岐にわたりますが、特に重要なのは以下の2点です。
・不動産登記法:店舗の所有権を明確にするために、不動産登記を行う必要があります。(不動産登記:土地や建物の所有者や権利関係を公的に記録する制度)
・借地借家法:賃貸借契約に関するルールを定めています。店舗を賃貸している場合は、この法律が適用されます。(賃貸借契約:土地や建物を借りる際の契約)
また、融資を受ける際には、金融機関との間で金銭消費貸借契約を締結します。(金銭消費貸借契約:お金を借りる際の契約)
この契約には、返済方法や担保に関する事項などが記載されます。
誤解されがちなポイント
店舗購入に関する誤解として、以下のようなものが挙げられます。
・「購入すれば家賃を払わなくて済む」という誤解:店舗を購入しても、固定資産税や修繕費などの費用がかかります。
場合によっては、賃貸よりも費用がかかることもあります。
・「ローン審査に通れば安心」という誤解:ローン審査に通ったとしても、必ずしも返済できるとは限りません。
将来の収入の見通しや、予期せぬ出費なども考慮する必要があります。
・「税金対策になる」という誤解:店舗購入が必ずしも税金対策になるとは限りません。
減価償却費などを計上できますが、税制は複雑であり、専門家への相談が必要です。(減価償却費:建物の価値が年々減少していく分を経費として計上すること)
実務的なアドバイスと具体例
店舗購入を検討する際には、以下の点を考慮しましょう。
・資金計画の策定:
まず、必要な資金を正確に把握します。
物件価格、内装費、設備費、運転資金など、細かく項目を洗い出し、合計金額を算出します。
次に、自己資金と融資額を決定します。
自己資金は、頭金だけでなく、運転資金としても使えるように、余裕を持たせて準備することが重要です。
融資を受ける場合は、複数の金融機関から見積もりを取り、金利や返済期間などを比較検討しましょう。
例:
物件価格2000万円、内装費500万円、設備費300万円、運転資金500万円の場合、総額3300万円が必要となります。
自己資金として400万円を頭金に充て、残りの2900万円を融資で賄う計画を立てたとします。
この場合、運転資金が不足しないように、自己資金の一部を運転資金として確保しておくことが重要です。
・事業計画の作成:
将来の売上高や費用、利益などを予測し、事業計画を作成します。
事業計画は、金融機関からの融資を受ける際にも必要となります。
例:
月間の売上高を500万円、家賃や人件費などの費用を400万円と仮定した場合、利益は100万円となります。
この利益から、ローンの返済や運転資金を賄う計画を立てます。
・専門家への相談:
不動産会社、税理士、ファイナンシャルプランナーなど、専門家への相談も検討しましょう。
専門家は、資金計画や税金対策、ローンの選び方など、様々なアドバイスをしてくれます。
・リスク管理:
万が一、ローンの返済が滞った場合の対策も考えておきましょう。
売却や賃貸など、いくつかの選択肢を検討しておく必要があります。
また、火災保険や地震保険など、リスクに備えるための保険にも加入しておきましょう。
専門家に相談すべき場合とその理由
以下のような場合は、専門家への相談を強くお勧めします。
・資金計画に不安がある場合:
資金計画は、店舗経営の成否を左右する重要な要素です。
専門家は、あなたの状況に合わせて、最適な資金計画を提案してくれます。
・税金に関する疑問がある場合:
店舗購入や経営には、様々な税金が関係します。
税理士に相談することで、節税対策や確定申告に関するアドバイスを受けることができます。
・ローンの選び方に迷っている場合:
ローンの種類や金利、返済期間など、様々な選択肢があります。
ファイナンシャルプランナーに相談することで、あなたの状況に合った最適なローンを選ぶことができます。
・将来のリスクについて不安がある場合:
将来の不確実性に対する備えは、店舗経営を安定させるために不可欠です。
専門家は、リスク管理に関するアドバイスを提供し、万が一の事態に備えるためのサポートをしてくれます。
まとめ
今回のケースでは、頭金をほぼ使い切って店舗を購入することには、慎重な検討が必要です。
運転資金が不足すると、経営が不安定になる可能性があります。
しかし、店舗を購入することで、家賃の支払いを気にせず、自分の理想とする店舗を作り、経営していくことができるというメリットもあります。
最終的な決断は、ご自身の状況や将来の見通しをしっかりと見極め、専門家のアドバイスも参考にしながら、慎重に行ってください。
特に以下の点は重要です。
・十分な資金計画を立て、運転資金を確保すること。
・専門家(税理士、ファイナンシャルプランナーなど)に相談し、アドバイスを受けること。
・将来のリスクを考慮し、万が一の事態に備えること。
夫の夢を応援する気持ちは大切ですが、無理のない範囲で、着実に店舗経営を進めていくことが重要です。

