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建売住宅の私道境界線にフェンス設置は可能?隣家への影響と法的観点からの解説

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不動産業者から、フェンス設置によって向かいの家の売却に影響が出ると言われ、また、車のドアの開閉を考慮して共有するのが当たり前のようなことを言われました。しかし、自分の土地なのでフェンスを建てても問題ないと思うのですが、本当に問題ないのか、フェンスを建てるべきか迷っています。車は駐車せず、庭のように使いたいと思っています。
まず、土地の所有権について理解しましょう。 土地は、登記簿(土地の所有者を記録した公的な書類)に記載されている所有者が所有しています。 あなたの場合は、建売住宅を購入した際に、その土地の所有権も取得しているはずです。 つまり、駐車スペースはあなたの私有地です。
一方、私道(個人が所有する道路)は、その所有者によって所有権が異なります。 今回のケースでは、私道が共有地(複数人で所有する土地)なのか、売主または管理組合が所有しているのかを明確にする必要があります。 もし共有地であれば、フェンス設置には他の所有者の同意が必要になる可能性があります。
あなたの土地にフェンスを設置することは、原則として可能です。 しかし、不動産業者からの指摘にも一理あります。 隣家の売却に影響する可能性や、車のドアの開閉への影響を考慮する必要があるからです。 特に、私道が狭く、フェンスの設置によって通行の妨げになる可能性がある場合は、問題となるでしょう。
民法では、土地所有者は自分の土地に自由に物を置く権利(所有権)を持っています。 しかし、隣地との関係においては、隣地権(隣接する土地の所有者が、お互いに迷惑をかけないよう配慮しなければならない権利)という概念が重要になります。 フェンスの設置が隣家に過度の不利益を与える場合は、問題となる可能性があります。 また、境界線が明確でない場合は、境界確定の手続きが必要になることもあります。
不動産業者の発言は、隣家への配慮と、私道の共有利用という点を強調していると考えられます。 必ずしもフェンス設置が禁止されているわけではありませんが、隣家との関係性を良好に保つことが重要です。 また、私道が共有地の場合、あなたの土地であっても、共有地の利用を妨げるような行為は、他の所有者から異議を唱えられる可能性があります。
まず、隣家と話し合うことをお勧めします。 フェンスの設置場所、高さ、デザインなどを事前に相談することで、誤解やトラブルを防ぐことができます。 例えば、目隠し効果のある低めのフェンスにする、もしくは、隣家との境界線から少し離れた位置に設置するなど、配慮した設計が重要です。 また、不動産業者にも、隣家との話し合いの状況を伝え、理解を得るようにしましょう。
境界線が不明確な場合、または隣家との話し合いがうまくいかない場合は、土地家屋調査士(土地の境界を調査・測量する国家資格者)や弁護士に相談することをお勧めします。 境界確定の手続きが必要な場合や、法的紛争に発展する可能性がある場合は、専門家のアドバイスが不可欠です。
自分の土地であっても、隣家との関係を良好に保つことが重要です。 フェンスの設置は、あなたの権利ですが、隣家への配慮を欠いてはなりません。 隣家と話し合い、必要に応じて専門家に相談することで、トラブルを回避し、快適な生活を送ることができるでしょう。 私道の状況や隣家との関係性をよく理解した上で、慎重に判断してください。
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