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建物登記の申請人複数名における持ち分割合の決定と注意点:贈与税対策も解説

【背景】
* 昨年土地を購入し、登記とローンの手続きが完了しました。
* 別の会社で建築中の建物がもうすぐ完成予定です。
* 建物所有権は妻と共有名義です。
* 建物表題登記と保存登記を自分で行う予定です。

【悩み】
建物登記の申請人が複数名(私と妻)の場合、持ち分割合をどのように決定すれば良いのか分かりません。頭金としてそれぞれの貯金からいくら出したかだけで良いのか、水道やガス引き込み費用、地盤改良費用、外構費用なども含めるべきか迷っています。また、持ち分割合を決定する際に、通帳を確認するなどして正確な数字を提示する必要があるのか、曖昧な記憶しかない場合の対応も知りたいです。持ち分割合が大きく異なる場合、贈与税の対象になる可能性があると聞いたので不安です。

建物費用全額を合算し、各々の負担割合で持ち分を決定。曖昧な場合は、公平な割合を提示。

回答と解説

テーマの基礎知識(定義や前提の説明)

建物表題登記(表題登記)とは、建物の所在、構造、面積などの情報を登記簿に記録する手続きです。保存登記(保存登記)は、建物の所有権を登記簿に記録する手続きです。どちらも不動産登記の一種で、所有権の明確化や不動産取引の安全性を確保するために重要です。共有名義とは、複数の人が所有権を共有する登記方法です。持ち分は、共有者それぞれの所有権の割合を示します。

今回のケースへの直接的な回答

ご質問のケースでは、建物にかかった費用全体を合算し、ご夫婦それぞれの負担割合に基づいて持ち分を決定するのが適切です。 持ち分は、必ずしも頭金だけを考慮する必要はありません。水道やガス引き込み費用、地盤改良費用、外構費用なども、建物を完成させるために必要な費用なので、持ち分計算に含めるべきです。

関係する法律や制度がある場合は明記

持ち分割合が不自然に偏っている場合、贈与税の課税対象となる可能性があります(贈与税)。これは、一方から他方への経済的な利益の移転とみなされるためです。 税務署は、持ち分割合の根拠を明確に求める可能性があります。

誤解されがちなポイントの整理

持ち分割合は、必ずしも各人の出資額に正確に比例する必要はありません。例えば、一方の配偶者が家事や育児に専念し、もう一方が収入の大部分を負担している場合、出資額以外の要素も考慮して持ち分を決定することも可能です。ただし、その場合は、明確な根拠を示す必要があります。

実務的なアドバイスや具体例の紹介

持ち分の決定には、以下の手順が有効です。

  • 全ての費用をリストアップする:建物本体費用、水道・ガス引き込み費用、地盤改良費用、外構費用など、建物完成までに要した全ての費用をリストアップします。領収書や契約書などを参考に、正確な金額を把握しましょう。
  • それぞれの負担割合を計算する:リストアップした費用を、ご夫婦それぞれの負担割合で按分します。曖昧な場合は、公平な割合(例えば50%ずつ)を決定することも可能です。
  • 持ち分割合を登記申請書に記載する:計算した負担割合を、登記申請書の持ち分欄に正確に記載します。
  • 証拠書類を準備する:領収書、契約書、通帳の写しなど、費用負担を証明する書類を準備しておきましょう。税務調査に備えて、これらの書類は大切に保管してください。

例えば、建物費用合計が1,000万円で、ご夫婦がそれぞれ500万円ずつ負担した場合は、持ち分はそれぞれ50%となります。しかし、一方の方が600万円、もう一方が400万円負担した場合は、持ち分はそれぞれ60%と40%となります。

専門家に相談すべき場合とその理由

持ち分割合の決定に迷う場合、または贈与税の課税について不安がある場合は、税理士や司法書士などの専門家に相談することをお勧めします。専門家は、個々の状況に合わせた適切なアドバイスを提供し、トラブルを回避するお手伝いをしてくれます。特に、贈与税の申告が必要となる可能性がある場合は、専門家の指導を受けることが重要です。

まとめ(今回の重要ポイントのおさらい)

建物登記における持ち分割合は、建物にかかった費用全体を基に、ご夫婦それぞれの負担割合で決定します。曖昧な場合は、公平な割合を決定し、その根拠を明確に説明できるように準備しておきましょう。贈与税の課税リスクを考慮し、必要に応じて専門家に相談することをお勧めします。 正確な手続きを行うことで、将来的なトラブルを回避し、安心して不動産を所有できます。

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